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「こころ」は本当に名作か 小谷野敦

栄誉ある賞を受賞して世間で評判になっている小説を読んでみたがあまり面白くなかったという経験は誰にでも多々あるのではないかと思うが、私も最近そうした経験をしたばかりだったので、何となく本書の「正直者の読書案内」というキャッチフレーズに惹かれて読んでみた。作者の本に対する評価については、「全くその通りだと思う…4割」「作者の意見に異議あり…1割」「読んだことがないので判らない…5割」といったところだ。SFについては著者とは意見が全く違う。著者の意見に賛同できるかどうかを確かめるためにはその本を読んでみないといけないし、そもそも著者もそれらを全部読んでいるのだから、著者がだめだといっているから読まなくて済ませられる作品はそれほど多くないような気もする。最後のあとがきなど、ここまで正直に書いてしまって、「作者の人間関係は大丈夫なのか」といらぬ心配までしてしまう。(「こころ」は本当に名作か」小谷野敦、新潮新書)
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