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ルビンの壺が割れた 宿野かほる

色々なメディアで話題になっている1冊。あまりにも話題になっているので、本屋さんで買うのが少し恥ずかしかったくらいだ。内容は、30年振りに連絡を取り合い過去を懐かしむような中年男女のメールのやりとり。自分自身も、「ネットで私の名前を見つけた」という小学生の時の同級生から何十年ぶりかでメールをもらったりした経験があるので、この設定は他人事ではない感じだ。最初のうちはやや危ない感じがしながらも、普通のやり取りが続くのだが、そのうちにどんどんまずいことになっていく。最後は意外と言えば意外な結末だが、それ程話題になるよう内容ではないようにも思える。この本は、ネット社会の怖さをその内容自体で示していると同時に、この本がネットで話題になって売れているという事実そのものがネット社会とはどういうものかを教えてくれているような気がする。(「ルビンの壺が割れた」  宿野かほる、新潮社)

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