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鳥肉以上、鳥学未満。 川上和人

我々が日常よく目にして食する鶏肉の部位について語りながら、鳥たちのライフスタイルやそれにに合わせた適応進化の過程を色々面白く解説してくれる本書、著者の本の中でもとりわけ饒舌度が高い一冊だ。読んでいて、何の本を読んでいるのかわからなくなる程楽しくなる。それでいて、我々が食べる若い鶏と成鳥のニワトリの骨格がかなり違うということや、恐竜から鳥への進化に関する論争が足の指(趾)の形状から明らかになったことなど、ビックリするくらいマニアックな知識が満載で為にもなる。さらに本書では「生前」「トリガラ」「スーパー」といった言葉にイチャモンをつけて、著者自身の言葉へのこだわりの強さもかいま見せる。著者の本の良いところが凝縮されたような一冊。次の著者の本を読むのが待ち遠しい。(「鳥肉以上、鳥学未満。」 川上和人、岩波書店)
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