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ひかりの魔女 にゅうめんの巻 山本甲士

本書はシリーズものの第2作目なのだが、第1作目がネット書店でも在庫なしだったので止むを得ず本書から読むことにした。シャッター商店街で喫茶店を営む女性、不本意な経緯で経営していた会社を退いた老紳士、経営難に陥った町工場の夫婦、ラーメン屋を開業して失敗した男性、様々な立場でやや辛い状況にある彼らが偶然出会った主人公の老婦人とその仲間に助けられながら前向きに心機一転を図っていく。仕事にしても日常生活にしても結局は人と人との繋がりだな、人が人に優しくしていく連鎖ほどかけがえのないものはないな、ということがこの少し不思議な話を読んで切実に感じられる。本書では詳しく語られていないが、第1作目は主人公の家族に関わるストーリーも語られているらしい。順番は逆になってしまったが、これから読むのが楽しみだ。それからこのシリーズ、実にテレビドラマ向きだと思う。近いうちにドラマ化されてそれを見るのも楽しみだ。(「ひかりの魔女」 山本甲士、双葉文庫)
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