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「池の水」抜くのは誰のため? 小坪遊

自然と人間の関わりについて、様々な事例を紹介しながら解説してくれる一冊。良かれと思ってしていることが実は生態系の破壊につながってしまっている事例や、動物愛が強すぎて冷静な判断ができなくなってしまっている行動などが次から次へと紹介されていて、こんなことがあるのかという驚きの連続。庭に鳥のための餌台を置いて餌をやると野鳥同士の細菌の伝染がおきて生態系に良くないとか、SNSに生物の写真をアップする時にはその場所を特定出来ないようにしなければいけないなど、知らなかったことも多かった。また、生態系を守るためには、可哀想といった感情だけでなく、冷静な科学的考察や的確な情報収集が大切だということも教えてくれる。色々な主張がぶつかる問題について、バランス良く冷静に考えさせてくれる内容だった。(「『池の水』抜くのは誰のため?」 小坪遊、新潮新書)
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