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香港デモ戦記 小川善照

2014年の雨傘運動から現在までの香港での民主化運動を克明に伝える取材レポ。雨傘運動の挫折からコロナ禍での現状、運動の主力となっている若者への取材、それを背後から支援する一般市民の動向などを非常に丁寧に解説してくれる決定版のような一冊だ。「和理非(平和、理性的、非暴力)」「689(前行政長官の蔑称)」「エアコン参謀(デモの現場には赴かずエアコンの効いた部屋でパソコンで運動を支援するオタクたち)」といった独特の用語の解説も多くとてもためになった。特に印象的だったのが香港の民主化活動における日本のアニメファンたちの活動を記した章で、中国を「進撃の巨人」の巨人、自分たちを「調査兵団」に見立てて明るく活動する若者たちのところが面白かった。(「香港デモ戦記」 小川善照、集英社新書)
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