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宇宙の奇跡を科学する 本間希樹

宇宙科学の入門書。著者は宇宙科学の大きな謎の1つであるブラックホールを観測研究する第一線の科学者で、数年前に史上初のブラックホールの電磁波撮影に成功した国際研究グループのメンバーとのこと。著者の写真が帯に印刷されているが、何となくその時のTVニュースか何かで顔を見たことがあるような気もする。宇宙科学の研究者には観測主体の学者と理論研究の学者の2種類がいるとのことだが、著者は典型的な前者の学者。本の前半はこれまでに本やオンラインで学んだ宇宙創生に関する基礎的な解説で他の研究者の解説と内容はほぼ同じ。後半は自分の研究分野のブラックホールの話が中心で、ブラックホールについて何がわかっていて何がわかっていないかが非常にわかりやすく書かれている。また観測主体の学者ということで電磁波による観測の仕方も丁寧に書かれていて、こちらの認識もだいぶ深まった気がする。それぞれの銀河の中心に巨大なブラックホールがありそうという話は、全く解明されていない宇宙創世の瞬間にブラックホールが何らかの関与をしていると思わせるものがあり、素人にもとても興味深かった。(「宇宙の奇跡を科学する」 本間希樹、扶桑社新書)
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