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繭の密室 今邑彩

警視庁捜査一課貴島シリーズの第4作目。シリーズの特徴である非常に不可解な犯行現場の謎、主人公の地道な捜査、最後まで少しだけ残るホラーの雰囲気という3要素は本書でも顕著だ。但し、1995年に刊行された作品なので、スマホや防犯カメラなどの普及が前提になっておらず、「この謎は防犯カメラを調べればすぐに分かるのになぁ」と思ったりする場面も。スマホと防犯カメラの普及は、色々な面でミステリー小説、特に警察小説のあり方を大きく変えたような気がする。本シリーズは著者唯一のシリーズ物ミステリーだが、2013年に著者が急逝したのでこれがシリーズ最後の作品。もう読めないのがとても残念だ。(「繭の密室」 今邑彩、中公文庫)
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