太陽がイッパイいっぱい (文春文庫) | |
三羽 省吾 | |
文藝春秋 |
主人公イズミのような人は多いと思う。
今、イズミに近い生活をしているフリーター。
これからイズミのようになる中高生。
イズミのようだったことがある30歳以上の人々。
アルバイトをしたことがある人なら、イズミが感じたことはわかるはず。
その感じが完全に抜けきることはない。
仕事とは自分に合わせて作られたものではないから。
年代がズレると通じない言葉もあるだろうが、僕には全て理解できた。
そのためか、自分のような輩のため/について書かれた作品のように思えて
親近感がわいた。
土方の言葉も関西弁も理解できた。
テンポが良いと感じた要因に関西弁というファクターも入ると思う。
結末に大賛成。
去年読んだ「厭世フレーバー」も良かった。
両方とも軽いタッチだが、本質を貫いていると思う。
僕が「本質」と捉えているだけのものかも知れないが。
例えそうでも、それについて書いている作家がいると知るのは嬉しい。
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