①の検査では、既感染率が20%の集団で陽性的中率は92%になり、既感染率1%の集団では陽性的中率は33%です。感染率が低い集団(1%)で、1万人検査を実行すると、100人の感染者がいる事になりますが、陽性判断をされるのが97.8人で「偽陰性」が2.2人発生する事に成ります。
感染率が高い(20%)場合では同様に、44人の「偽陰性」が発生します。
陽性判断数=真陽性者数X感度
陰性判断数=真陰性者数X特異度
偽陽性者数=真陰性者数-陰性判断数
偽陰性者数=真陽性者数-陽性判断数
陽性総数=陽性判断数+偽陽性者数
陰性総数=陰性判断数+偽陰性者数
陽性的中率=陽性判断数/陽性総数
陰性的中率=陰性判断数/陰性総数
サンプル数=真陰性者数+真陽性者数=陽性総数+陰性総数
②の検査の場合、既感染率が10%集団でサンプル数を1万にすると、1000人の真陽性者がいる事になりますが、陽性判断は700人で「偽陰性」が300人になり、陰性判断が8910人で「偽陽性」が90人になる為、陽性的中率は88.6%で、陰性的中率は96.7%(誤認陰性率=3.3%)です。
陰性の人が陽性と判断されても「偽陽性(患者)」なので、医療体制に余裕が有れば790人を隔離・治療し、9210人を解放します。この開放された9210人の内の3.3%である300人は「真陽性者」です。
そこで、PCR検査で東京都(感染率を10%と仮定して)だけを毎日1万人検査すると、3年間に亘り毎日毎日「解放された真陽性者」が300人発生し、免罪符を与えられて自由に歩き回ることになります。ウイルスの体内保持期間を2週間とすると、4200人が恒常的に街をうろつく事になります。
「偽陰性者」でも、症状が有ればPCR再検査やCT検査を受けられますが、殆どの人は解放され「スプレッダー」の国家資格を正式に得る事になります。
全国民がPCR検査をすると、その人数はおよそ10倍になり、「偽陽性患者」は医療崩壊を促進し、「偽陰性者」は感染の拡大に寄与します。勿論、早く感染が拡大すると「集団感染」による免疫率の増加が促進され、収束も早まるという「メリット」も有ります。
収束時における「総死者数」の多少は現在の所判断できません。それは、「医療崩壊による死者数」や「感染の恐怖による死者数」と「経済的理由による死者数」を比較判断する事は出来ないからです。「科学を重視」するか、「政治を重視」するか、或いは「情緒を重視」するかによっても、政策判断は分かれます。
「症状のない偽陰性者」は、事実上の「非感染者」として扱われます。PCR検査、検査、検査でスプレッダーになりますか、それとも止めますか。
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