突然ですが、先ほど「タイトル戦で使える盤をお持ちではないか?」との問い合わせがありましたので、映像をアップします。
只今、保有している将棋盤は7面ほど。
それらは、年期が入った日本産榧の柾目が多く、中でもその筆頭は「関根名人ゆかりの盤」で、これは20数年間で3回の名人戦(米長対羽生、森内対谷川、佐藤天対羽生戦)で使っていただきました。
今回の盤は、それに続くもので、蓋には昭和39年、日本将棋連盟会長・原田先生の揮毫がある6寸盤で、材は日本産天地柾の榧。
作成されてから、50年以上が経過していますが、キズもなく、汚れもなく、良い状態のその映像です。
これまで、タイトル戦には使われたことはありませんが、問い合わせには合致しているモノではないでしょうか。
揮毫は、どの様に読むのでしょうか?
意味もよく分かりませんが、「大本は立たず、小規また正し」???
なお、蓋の漆塗りは、もともとは生地だったものを私が仕上げたもので、以上、取り急ぎアップしておきます。
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http://www.nknet-service.com/hayakawa/motto/index.html
大木(たいぼく)は小規(しょうき)正しからずば立たず
「根のない大木は立ち得ないのは、誰もが知っている事実である。にもかかわらず、これを自分の身におき代えて考えようとしないのも事実。
すなわち、大木になるためには、つまり、大きく育つには、小さな規則、約束、取決め等を正しく持ち、これを守るようにしなければいけないのである。」
2文字目は、「本でなく木」。すなわち「大木(たいぼく)は小規(しょうき)正しからずば立たず」と読むのですね。モヤモヤが晴れて、すっきりしました。ありがとうございます。
やっぱり、原田先生は学が高いのですね。
書家(横井小楠)の掛け軸(120万円)でも2文字目は「本」ですが、「木に点をつけた形」になっています。https://kobijutsu-seto.jp/10560/
ですので、原田先生の揮毫の2文字目の漢字は「本」ではないかと思われます。また、「大本」が、木だけでなく「おおもと、最も主要な基礎」の意味をも含んでいるのではないか、とも考えました。