名もない公園の白い藤棚
早春に始まって中秋までの半年間、143試合を戦うNPB日本プロ野球。
昨日現在で16試合を戦った愛しの広島カープさん。ロケットスタートとはならなかった。
あの昨年最下位の中日に3試合連続無失点という記録的な大敗や、あの巨人に3連敗と、序盤から2カードの3連敗が響いて大きく負け越している。
あ~それなのに、そんな今の成績をがっかりしたり、今シーズンの行方を悲観するなどという気持ちに全くならない。なんでじゃろう。指揮官の、長丁場を見通した確かな意図が見えるからである。選手に対して試合への出場権は横一線。出来る限り多くの選手にチャンスを与え、その中で調子のいい選手を使う。とっかえひっかえして使うことでどの選手も燃えに燃えている。当然、いまは調子が良くない選手も「いつかスタメンを」と意欲を掻き立てる選手起用が、どの選手にも浸透しつつある、タネ蒔き指揮官の様相が見えるからである。
しかも一瞬のチャンスを確実にモノにする選手の特性を生かした選手起用。走攻守の三拍子が必ず揃ってはいなくても、足の速さ、闘争心を秘めた投手、粘っこくしつこいバッター、そういった個性を尊重した野球をして、相手に嫌がられる野球理論を展開する指揮官に引っ張られるチームは面白いし、夏場の戦いにも期待が持てる。貧乏球団なのだから、高額な外国選手はなかなか連れてこられない。やっとこさアメリカ在住のスカウトの努力で連れて来た外国人選手二人とも、故障離脱で四番打者候補不在のまま、純血オーダーで負けが込む中でも期待の膨らむ野球を追及している目下の広島カープ。今に見ておれ・・・となる日を待ちながら。
この春孫兄弟が同時に社会人として世間に出て行った。色んな上司、色んな仲間と色んな日々を送る中で、しっかりと自分と向き合う心構えや、自分の個性をゆるやかに発揮して、全員野球を目指すカープの一員に似たに活躍、下積みの大切さを体験欲しいものである。