12/12 映画「母と暮せば」
12:50の回には
本編上映前に 舞台挨拶、
全国145館でライブビューイング。
県内でも
同じ時刻の上映があったので
長女と一緒に行ってきた。
山田洋次監督や吉永小百合さんは勿論
黒木華さん、嵐の二宮さんも登壇
ということもあってか
観客には若い女性が多かった。
そんな中でも、
年配のご夫婦などもおられて
年齢層は幅広いのかなと思った。
事前に寄せられた質問に答えたり、
撮影の裏話など、面白かった。
この映画を観て
家族や友達、身近な人と
戦争のことを
考えたり話したりしてほしい
というような言葉が心に残った。
…………………………
その後、続いて本編上映。
(少~しネタバレ ごめんなさい)
まずは
嵐ファンの母と娘なので
どうしてもそんな目線で
見てしまったかも。
けれど余計に
親しい人の死の瞬間を
見たような気持ちになった。
原爆の閃光が
一瞬にしてインク瓶を溶かし
爆風と轟音に襲われて。
たぶん跡形も残らない、
人の体が瓦礫と混ざって飛び散る
無惨な様を想像すると…胸が
押し潰されそうだった。
そこからは3年が経ち、
母と、霊となった息子との再会や
言葉のやりとりに
和む場面もいくつかあった。
たぶん生きていれば
当たり前にあったような
ごく普通の あれこれ。
けれど、息子には婚約者がいて。
彼女の行く末を思う時、
息子が生きていないということは
ごく普通のこともできないという
残酷な現実が待っている。
葛藤の末
生き残った人の幸せを願う。
それでも
我が子の幸せを願うことすら
できない 辛さは消えない。
行き場のない思いが
どっとあふれる場面があって、
どうにも涙をこらえられなかった。
どうして自分の子どもが…
親ならば 誰でも思うもの。
どうして自分が
死ななければならないのか。
生きたい。
生きたかった。
そんな 悲痛な声が
胸に刺さるような気持ちになった。
戦争だから。
それで納得できるのだろうか。
自分だったら、
自分の大切な人だったら。
身近に迫ることのように思えた。
母と子と、静かな結末。
これはこれで
ひとつの救いでもあるのかな…。
とはいえ、
この世を生きるとて
思うようにはいかないもので。
残された人たちのことを思う時、
生きてさえいればと
楽観できないのは…性格だろうか。
それでも、
某アニメの巨匠の(笑)
言葉が頭に浮かんだ。
“この世は生きるに値する”
色々な気持ちが 沸き起こり
ぐらぐらと揺さぶられて
泣き疲れたけれど、
嫌じゃなかった。
それでも やっぱり
生きねば、な。
生きたかった人のことを思うと。
“死んだ人は、
生きている人の幸せを願う”
というセリフがあったけれど、
その思いに応えるために。
思いを残して逝ったのは
自分にとって大切な人。
けれど
同じような思いを持った人が
数えきれない程いたという
実感がわいた。
それくらい
戦争は多くの人を
巻き込んでいくもの なのだと。