劇団ロロ公演
いつ高シリーズVol.6
『グッド・モーニング』
12/18(日) 観劇しました!
特に大きな
何かが起きるわけじゃないけど
心が大きく揺さぶられた。
誰か一人でも隣にいて
何かを共有できるのは
こんなに嬉しいことなんだと
しみじみ思った。
…………………
高校演劇のルールで作られた作品
ということで、
最初に説明があった。
上映時間が60分以内、
仕込みは10分以内。
ということで
仕込みの部分からスタート。
普段、仕込みを目にする
機会がないので新鮮だった。
耳慣れない用語もあり、
なるほど、あれは
“しず”というのか…と
興味深かった。
……………………
高校の自転車置き場。
早朝、一人の女子高生が
何やら不思議なことをしている
場面から始まる。
後からやってきた
もう一人の女子高生と、
二人だけの舞台。
そのやり取りが、
ずっと目が離せないくらい面白く、
時折、観客から上がる
笑い声の勢いにもびっくり。
テレビ番組のネタも入っていて、
あ〜あれね!と思う人が
コクコクうなずいているのが
視界に入る。
彼女たちが歌い踊っていた曲も、
昔流行っていた、そんな
世代も多かったのかもしれない。
そんな楽しげな雰囲気が
周りからビンビン伝わってきた。
かくいう私も
いわゆる世代。
だけど、
世間の皆さんとは
ちょっと外れてるかもな…と
思いつつ観ていた。
知らないわけではないけれど、
どっぷりハマっていた
わけでもない。
あれを見ないと
一日が始まらない…と
いうような台詞があったけど
ああ、
自分は見ていなかった、
見られる環境になかった
子どもの頃。
だからずっと
一日が始まらなかったのかなぁ
なんて苦笑い。
いわゆる大多数
(と思われるもの)と自分、
その微妙なズレが、
透明な薄皮のように
常に相手と自分との間を
隔ているような気がしていた。
別に…
それがあっても無くても
良くも悪くもないのだと思う。
頭では分かっていても
感覚としては
なかなか吹っ切れない。
小さい頃、学生の頃から、
染み付いた感覚は
なかなか変わらないものだ。
彼女を見ていると、
同じではないけれど
自分と通じるものを感じた。
で、この先
どうなるんだろう。
面白さの奥にある
切実さに引っぱられて
観ていった。
一人なら、たぶん
いつもと同じ繰り返し。
でも、ちょっとした
異質な出会いが
そんないつもを少しだけ
変えてくれた。
異質なのに
ある部分だけ共有できる。
それが本当に楽しくて
嬉しくて泣けてきた。
どう見られてるかじゃなく
自分が感じるものを
大事にすればいい。
そんなふうに思えた。
現実は
そんな簡単に変わらない。
抵抗を感じる何かが
当たり前として存在する限り
困り事が瞬時に解消される
ことはない。
だけどこの
心躍る、晴れやかな気持ちは
きっと大事なひと欠片として
蓄積されていくのだろう。
それでいいのだと
バカボンのパパ的な
能天気さに
心満たされるような
後味だった。
………………
外は凍えるような寒さ。
空からひとつ
何か白いものが舞い降りて
水たまりの中に消えていった。
雪、かな!!
キョロキョロ
辺りを見回し目を凝らしても
何も落ちてくる気配はない。
単なるほこり、かな?笑
あれは何だったんだろう。
不思議なものを
見たような気がしつつ
車に乗って走り出したが
間もなく
ぶわーっと舞い散る雪に包まれた。
やっぱりあれは雪だったんだ!
小さなひと粒だから
分かりにくかったけど、
確かにあそこに在ったんだ。
何だか
いいことの前触れのような気分。
気持ちはホカホカ
ちょっと嬉しい帰り道だった。