2/8(土)15:00~
渡辺源四郎商店公演『どんとゆけ』
ノトスで観劇
被害者家族が加害者の
死刑を執行する…
という架空の制度だけど、
不思議と違和感なく観られた。
重いけど、ちょいちょい笑える。
観客の声もよく聞こえていた(笑)。
それにしても動機が分からない。
犯人はおどおどしていて
一見凶悪な人間には見えない。
なのに一人だけでなく
父子3人も刺してたなんて!
何がどうなってそんなことに…
でも、どんな理由があったとしても
許されることではない。
そんな犯人と獄中結婚し、
刑を執行する場所として
自分の家を提供する、青木しの。
彼女の気持ちが一番よく分からなかった。
やたら色気を振りまいてるし(笑)。
ただ、見えない何か重いものが
彼女の奥底にあるような気がした。
こういう場合、被害者家族の目線で
みてることが多いのだけど
途中からそれも分からなくなり、
身の置き所のない…
いたたまれない心地にもなった。
それでも他人事という感じはしなかった。
シリアスな場面、集中して観ていると、
だんだん視野が舞台の真ん中に
絞られてくるような感覚があった。
気付くとそれだけ照明が中心にあって。
どこからそうなっていたのか
境目が分からないくらい。
でも、自分の目や気持ちと
連動してるような感覚がして、
ぞわっとした。
照明といえば、最後に
十字架が浮かび上がるところにも
ぞわっとなった。
舞台上、居間を囲むように
置かれた段ボール箱の山。
それを押さえるように立てられた
棒のような平たい木材。
それが所々、十字に重なっていて
それに光が当り、暗い中に
そこだけ浮かんで見えたのだ。
はりつけの刑も連想させる。
そして、ドン!!という大きな音。
劇中の話、執行時のボタンを押すと
ドンという音と共に……というアレ。
あの音だ。
色々なものが自分の中で繋がって
重く心に響いた。
何だか救われない気分。
勿論、死をもって償わないと
いけないくらいの罪はあり、
本当に罪を犯しているのであれば
逃れられないことだとは思うけれど。
全く別ジャンルの
現実の事件のことを思い出した。
死なんて生ぬるい。
死んだ方がマシだと思うくらい、
死ぬまで毎日続く
痛い刑を受ければいいのに。
と、ダークな自分の一面が(笑)。
何が罪で何が刑、
何が償いになるのか…などなど
複雑なものが頭の中で渦巻くような
後味だった。
夜の公演の前に腹ごしらえ。
劇中で出てきたオムライス。
何となくそれを注文してしまった(笑)。
刑の執行前に
食べたいものを希望できるらしい。
死刑前の彼が食べていた。
最後の晩餐…
自分だったら何食べたいかな。
夜は
『だけど涙が出ちゃう』へ→
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