高級ホテルの和式の客室の、トイレの引戸です。
杉材って、爪で軽く押しても凹むくらい柔らかな木なので、塗装もしていない引戸だと、
このようになってしまうのです。高級な材を使用することと丁寧に扱われないこととのジレンマ・・・。
これをどのように美観回復するか。
通常、補修屋さんは形はパテで、色は塗料で復元作業をしますが、自然素材の場合、風合いを変えないことを踏まえて作業方法を考えなければいけません。
素材感を生かすために、「木洗い」という技術を使い、木の回復力を利用しながら、時間をかけて丹念に作業を進めます。
深いひっかき傷は消えませんでしたが、手垢や木のアクも綺麗に取れ、十分美観回復できたのではないかと。