昨春に同居人が入院時に荷物の準備をした私ですが、いざ、自分となると持ちモノに迷ってしまいます。なにせ通うのには遠すぎる立地、3日だけなので差し入れをしてもらうわけにもいかず。かといって、院内のアメニティレンタルも利用したくない。
入院じたいははじめてですが、学生時代にはなんども小旅行経験があるので、荷物のまとめ方を思い出しました。あれもこれもと欲張って荷物が多すぎると、気分も落ち込みやすくなります。
STEP-1:かばんを決める
持ち物の総量を決めるために、まず入れ物を先に決めておきます。これに入らない分は持ち込まないと。私は身内からもらったキャリーケースとリュックのふたつに絞りました。両手がふさがると雨の日は困りますね。総じて、その他の持ち物にいえることですが、色は地味なものにしたほうがいいです。院内でかなり目立ちますし、他の患者さんの精神衛生上よくないからです。
STEP-2:入院時の生活を想像する
病院に缶詰めにされて外出しないのか、できるのか? 食事はいつどれくらい、入浴は? 洗濯するかによっても、衣料の量が変わりますね。あと、化粧がどこまで許されるかでコスメを減らすこともできます。面会者と会う予定がないならスッピンでもいいのでは。ちなみに私、検査日の中日は丸一日、点滴で食事もままならない。なので、入院前になるべく食べたいもの(アイスとか梅酒とか)を食べておきました。
STEP-3:病院支給のものをチェック
私が入院する大学病院は食事は自前のコップと箸でと指定されました。リネン類はホテル並みに毎日変えてくれるからいいものの、ハンガーはあるか。なければ、ナイロン製の形態安定の服にしましょう。可能ならば入院時説明の時に確認しておくとベスト。
STEP-4:現地調達を検討する
緊急搬送で入院でない限り、事前の外来時に売店で調達できそうなもの、およびその価格を調査しておいたほうが無難です。あと、現金は盗まれると保障もないので、キャッシュカードにしたほうがいいかもしれませんね。
STEP-5:なるべく使い捨てできるものを用意
これは旅行でもいわれることですが、帰りに荷物が増えるのを見越して、下着類などはあえて古いものばかりにして毎日捨てていく。洗っても干す場所が不便なことも多いもの。コスメも同様で、最近はコンビニでも使い捨てタイプのファンデが売られていますよね。
STEP-6:特別なものを買い込まない
入院もある意味お祭り騒ぎ、不安からかハイテンションになりがち。シャンプー類なども、小さいものをあえて新規購入せずに、百均で売っていそうなボトルなどで持参するのもあり。他の使い道に回せます。もしくは試供品でもらった物とか。ふだんから自分の使用の適量を把握しておいてもいいですね。
私は前開きの作務衣をパジャマにしたかったのですがあまりに派手すぎて断念。ゆったりした日常着(色浅めなカーディガン、綿のボトム、タンクトップ)を院内着用にすることに。これなら外も歩けそうなので。毎日が寝間着みたいなひきこもり人や、コスプレ感覚で包帯巻き少女みたいな病人を装うと、ほんとに治療が長引きそうなので、普段着に近いほうが絶対いいですよ。冷暖房の影響もあるので、体温調節できることを想定して。
STEP-7:ものを減らすには、ひとつで二役以上
洗面器ではなく、百均で売っているようなゴム製の容器にする。これならごみ箱代わりにもなり、コスメ類の入れ物にもなります。ゴミ箱はつくらずにビニル袋をベッド脇にぶら下げるでもいいでしょう。小さな紙コップを使いまわしすれば、物入れにも歯磨き用カップ、そして飲料用にも。売店で買ったペットボトルを飲み干せば代用できます。短期入院で入浴が嫌な人は、ペットボトルの水をハンドタオルに含ませてからだを拭いてもいいでしょうし、ドライシャンプーを使えば、バスタオルもドライヤーも不要になります。
バスタオルはかさばるので、髪がみじかめで小柄なひとは、ハンドタオルを多めに用意したほうがよさそうです。工事とかで配られる業者用の薄めタオルなら汚しても遠慮くなく使い捨てできますね。ただし、バスタオルはブランケット代わりにもなりますので冬は重宝しそう。
STEP-7:日常を再現しようと望まない
ふだん行っていることを病室でできるかといえばそうでもない。オーディオ機器やパソコンも持ち込みは可能でWifi完備だったりもしますが、使用制限があったり、騒音でトラブルになることがあります。また充電も悩みますよね。テレビカードは高いので、ラジオが重宝します。長期の入院者でネット環境があれば、レンタルの携帯用ルーターを検討すればいいでしょう。でも病状を検索して不安になるなら、ネットを敢えて見ないほうがいいかも。
STEP-8:落ち着いた時間を過ごす工夫を
院内でWifiが使えると言われましたが、平素、ネットサーフィンで時間を浪費しがちな私はあえてノーパソを置いていくことにしました。スマホだけは小さいのでかさばらないだろうと。本も欲張って分厚いものではなく、薄めで内容が軽めの、精神的負荷のかからないものを。大学病院で院内の図書室や、医学部の付属図書館も隣接していたため、本の調達にも困らないだろうという判断。そもそも麻酔でもうろうとして寝たきり時間が多くなるので、本の持ち込みを少なめに。
STEP-9:同室者と必要以上に仲良くならない
これ年配の女性だとありがちですが。お菓子のやり取りしたりとか、好意なんだろうけど物をもらったりする。必要最小限の挨拶はするけれども、あんまり相手の生活圏に入り込まず、自分ひとりで穏やかに過ごした方がいいですね。会社でも同じなのだけれども。うちの父親はがんで入院時に同室のおじさまから、なにかのSF軍記ものの小説シリーズをごっそりもらって帰っていましたが、家族のだれも読まずにけっきょくゴミ出しされていました。病院内での、金銭はもちろん、もののやりとりはやめたほうがいいです。院内感染もありますし、衛生状態のトラブルにもなりやすいですからね。
STEP-10:薬などの服用は忘れずに
私は該当しないのですが、常備薬がある、湿布や絆創膏などが必要なひとは忘れないように。また、手術あとの副作用もあるので、そのむねは医療担当者に伝えておくとよいです。
あと病院から指定されて意外だったのが、スリッパ不可なこと。
普段の履きやすいブーツにしました。それもあるので、パジャマ着用をやめたんですね。履物が減って、かえってよかったですね。
なお、私は日記を書くために、普段使いの手帳とは別の、小さなノートを用意しました。デジタルで記録するのも考えましたが、院内をあちこち撮影すると注意されそうですし、医療機器にトラブルがあって責任を問われるのも嫌なので。ガラケーがあるので、目覚まし時計は却下に。
で、この作業、じつはふだんの外出時も応用できそうです。
HSP気質の人間は極度な心配性なので、車のなかにも滅多とつかわない道具、家の中にも買い置きで古くなったもの、冷蔵庫も安物買いでパンパンの食材、なんてことばかり。バッグのなかも用意がよいけれども、似たような文具が五本もでてきたり、カード(しかも期限切れだったり)やマスクが十数枚入っていたりと余計なものばかりです。こうした持ちもののデトックススキルは、旅行やレジャー、入院などの非日常を通じて磨かれていくものなのかもしれませんね。
あと、うちの同居人は入院中は毎朝かならずラジオ体操をして体力が落ちないようにしていたそう。私もそれに倣うことにします。
(2023/08/13)