陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

★★★神無月の巫女二次創作小説「君の瞳に生まれたエフェメラ」 第七話 更新★★★(2024/11/30)

2024-11-30 | 感想・二次創作──神無月の巫女・京四郎と永遠の空・姫神の巫女

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神無月の巫女二次創作小説「君の瞳に生まれたエフェメラ」
第七話:来栖川姫子の改悛

わたしはわざととりつくろった笑顔を見せた。でも、どうしようもなく瞳からはあふれるものがあった。
どうしてだろうか、嬉しいのか、悲しいのか、苦しいのか、楽しいのか。もうわからない。泣き虫なわたしは、胸のなかのざわめきを抑えられなかった。このひとのまえで泣いたらいけないのだ。自分だけがかわいそうで流す涙は卑怯だってわかっているのだ。

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神無月の巫女二次創作小説第十六弾にして、二〇周年記念の新作をお届けいたします。転生後に同棲しはじめたものの、ある一枚の写真をめぐる姫子と千歌音のさざなみを描いた短編アフターストーリー。



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([神無月の巫女二次小説 其の一]→「君の瞳に生まれたエフェメラ」(目次)


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【画像20241130】【目覚めたふたりが見た夢は】

「希望とは目覚めている人間が見る夢である」と言ったのは、古代の哲学者アリストテレス。
なにか未来に生き甲斐がみつかるときは晴れ渡る空のような景色がひろがった感じがしますし、逆に絶望に陥ったときは頭のうえにもったりした重い雲がかかったような気分になります。こころは休まない、二十四時間フル稼働。不安や喜びといった感情は眠っている間も作用するのか、不可思議な夢をみさせてくれることがあります。管理人もストレスがたまったときは、知らない街に置いてけぼりになるとか、船出に間に合わないとか、洪水に呑まれてしまうとか、縁起でもない夢を見たものでした。よかったな、と思う夢はなぜか記憶に残っていない。人間の脳波を測定して映像として再現できる技術があったとしても、自分の夢の中身を再現されたくはないものです(笑)。

夢には不思議なお告げの役割もあって、「太平記」には、夢の中で楠の下にある玉座があらわれたことから、後醍醐天皇は稀代の知将にして南朝の忠臣として名高い楠木正成を召し出したとあります。ひとつの夢が、地方の豪族で終わるはずだった男の人生を、銅像が建てられるほどの英雄へと変えてしまったのです。しかし、またそれは彼の子息にとっても栄誉あるが悲劇の最期をもたらす導きとなったのでした。

アニメ神無月の巫女でも、姫子は不吉な夢を見てしまいます。
じつは前世の巫女の自分だったのですが、覚えていない。襲ってくる巨大ロボット、いつも怖い。気絶するぐらい。そりゃそうでしょう、怪獣が現れたようなものだもの。巫女だといわれても、ロボットを操縦してくれるのはいっつも大神くん頼み。いっぽう、千歌音は七話で完全に巫女としての記憶が覚醒してしまい、それがために、悲しい決断を迫られることになります。

姫子は十話の姫宮邸帰還時でも、千歌音ちゃんの幻覚を見たりする。そもそも、よく眠っている。あれこれ妄想しすぎたり、他人の感情をぴりぴり感じとりすぎたりして、疲れてしまうタイプなのかもしれません。現実から逃げるためには、目を閉じるしかないのです。

ところで画像はアニメ十話、季節は秋。千歌音ちゃん、ノースリーブで肩を冷やすとお風邪を召される心配が…。姫子の湯たんぽ、そんなにあったかいものなんでしょうか(艶笑)。姫子は寝相の悪さが一話でも露呈されていますが、千歌音ちゃんに抱きとめられるときは猫みたいにおとなしかったのかな? ふたりで仲良くいい夢がみれるといいですね。


【Diary】神無月の巫女に関する雑記の一覧
神無月の巫女、京四郎と永遠の空、姫神の巫女ほか関連作に関する公式情報やレビューをのぞく、個人の日記に近い記事の目次です。


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