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♪One from the heart

2013-11-08 18:04:26 | 日記
まえにココログでも
「ワン・フロム・ザ・ハート」のことはかいた。

今日は貴重なイントロの映像を見つけたので貼り付けとくで。



コッポラ監督は、「地獄の黙示録」で、演出から演技、セットなど、全てに凝りにこった。

台本は何度も変更になるし、スコールを待って何日も待機したり、ヘリをぼんぼん落としたり。

ついに破産してしまい、
一文無しになるが、作品の世界的ヒットで挽回。



「全てスタジオ撮影」にこだわったこの次回作は、
コッポラでなかったら、
あるいは「黙示録」のヒットがなかったら、
絶対ににあり得へん贅沢なお金のつぎ込みかたや。

これを「湯水のごとく」と言うんやろな。

ラスベガスの空港をスタジオに再現したり、そのスタジオ内で原寸大のジェット機の機影を撮ったりしたし、
ナスターシャ・キンスキーはこの作品のためにサーカス団でつなわたりまで習って、
実際にプロ並みに出来るようになり、スタントなしで撮影したりした。

そんなわけで当然、制作費は天井知らずに膨れ上がり、自宅もなにも売り払うはめになって、
結局またまた破産したらしい。



「黙示録」のあとの巨匠の作品とあって鳴り物入りのキャンペーンやったけど、客が全く入らず、ロードショウは短期打ちきり、不評の嵐で歴史的失敗作になってしもたんや。



ところがおれはこの映画が大好きで、いまだにマイ・ベストスリーに居残ったままなんや。

正直、はっきり言うてストーリーはどうでもええねん。
実際、どうってことない話やねんけど。

すごいと思うのは、冒頭の、数分のシークエンスや。


宇宙の彼方のある銀河の、地球という星のアメリカのラスベガスという町の片隅から、ある恋が始まる…

という設定になっていて、カメラはその道筋を追って宇宙からラスベガスへ降りてくる。

エレクトロ・シネマと当時コッポラが名付けた手法で、カメラの動きと位置、それに呼応する照明の明滅などをすべてコンピュータが制御してるんや。

これはすごい映像になった。
1974年当時の最先端技術の集合のようなフィルムクリップや。



一例をあげれば、
空中をなんの支えもなくすーっと移動するカメラがネオンサインの文字の中を通り抜けたりする。

これには、思わず「嘘やろ」と思ったな。
あり得へん映像に、当時あいた口が塞がらんかった。

同時に、コッポラ監督の、「破産するほどの懲りよう」にも驚いたもんや。



こんなマニアックな映像がアゲられるなんて、ネットの凄さを再認識したな。

トム・ウェイツとクリスタル・ゲイルのデュエットも絶品やで♪



では、マニアック映像の極致をノーカットで。
トレイラー映像

ナスターシャ・キンスキーが歌う
「Little Boy Blue」

いずれも削除の可能性あり。おはやめに。

もう叶わないけど、もう一度大スクリーンで見て、聴いてみたい


/橋本吉亨

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