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広島県では,平成8年度より防災ヘリコプター「メイプル」の運航を行っています。
ヘリコプターの優れた機動力を活かし,林野火災の消火活動をはじめ,山岳での遭難や水難事故に対する捜索救助活動,風水害や地震など災害時の消火・救助活動や情報の収集及び物資の搬送,救急患者の搬送等の救急活動など多方面にわたり迅速な対応をします。また,県や市町が行う防災訓練や救急搬送訓練等に参加し,地上部隊との連携を図っています。
広島県内の消防本部から派遣された6名の防災航空隊員が,県民の生命・身体・財産を守るため,日々厳しい訓練を行い,災害発生時には迅速に出動し対応する体制をとっています。
平成8年7月11日の県防災ヘリコプターの運航開始により,既に運航していた広島市消防ヘリコプターとの2機体制が確立しました。
県防災ヘリコプターと市消防ヘリコプターの2機が整備等で同時に飛行できなくなる期間をなくするなどの調整を図っています。
また,出動指令の窓口を広島市消防局の指令室に一本化し,早く到着できる方のヘリコプターを出動させるなど,迅速かつ的確に対応できる体制を整えています。
○365日運航(機体の整備,点検等により運航できない期間があります。)
○運行時間は午前8時30分から午後5時15分まで
県防災ヘリコプターは,県,県内市町・消防本部で構成される「広島県防災ヘリコプター運航連絡協議会」によって運営されています。
県防災航空センターには,センター長と県内6消防本部から派遣された防災航空隊員6名及び操縦士・整備士等4名が所属しています。
運航範囲
〇災害応急対策活動
被災状況の調査,救援物資及び人員等の搬送,災害に関する情報の伝達
〇救急活動
救急患者の搬送,高次医療機関への転院搬送等
ドクターヘリ的事業(医療機関の医師及び看護師がヘリコプターに搭乗し救急現場に赴き救急救命処置を行う。)
〇救助活動
山岳及び水難事故等における捜索救助,陸上からの接近が困難な場合の救助等
〇火災防ぎょ活動
林野火災に対する空中からの消火活動,被害状況の調査等
〇広域航空消防防災応援活動
他県への災害時応援
〇災害予防活動
災害の危険箇所調査,県民への広報等
〇消防防災訓練活動
消防訓練への参加
〇一般行政活動
各種航空調査
消防防災ヘリコプター(は、消防活動・救急活動を支援するために、東京消防庁と政令指定都市の消防局、道府県、総務省消防庁が保有するヘリコプターである。空中消火や救助活動・航空救急等に用いられる。
消防組織法では消防責任を市町村が負うこととしており、政令指定都市の消防機関の一部は自ら消防活動や急病人を搬送するための消防ヘリコプターを保有・運航している(市消防航空隊)。東京都の場合は、市町村から委託を受けている東京消防庁が保有・運航している。
しかしながら、小規模な市町村にとってヘリコプターの運用、維持は財政上大きな負担であるため、総務省の補助制度により都道府県が市町村に代わり防災ヘリコプターを保有し都道府県防災航空隊を設置して、管内市町村の業務を支援を行っている地域が多い。平成8年に地方公共団体の連絡協調の推進と航空消防防災体制の確立を目的に、消防防災ヘリコプターを運用している各消防機関・都道府県と総務省で全国航空消防防災協議会を設立している。
また一部の地域では、兵庫県防災航空隊と神戸市航空機動隊のように、都道府県の防災航空隊と政令指定都市の消防航空隊が設置され、互いに協定を結び共同運航している。この場合、片方のヘリコプターが整備などで運航不能の場合でも、もう一機で常時対応出来ると言うメリットがある。また、隣接都道府県間で同様に協定を締結して、応援体制の確保や機材点検時の相互補完等を図っていることが多い。
なお、道府県が設置している防災航空隊は、ヘリコプターを道府県が所有しているが、消防活動は市町村の消防本部から出向してきた消防吏員によって行われており(数年単位の任期付のケースが多い)、それ以外の操縦や整備など民間の航空会社などに委託している場合が多い。この場合は、乗員のうち操縦士及び整備士については委託先航空会社の社員などになる。自主運航の場合も、操縦士や整備士を都道府県で直接採用する場合の他、派遣企業等から派遣を受ける場合もある。
東京都のみは自ら消防本部(東京消防庁)を設置しているため、他の道府県と異なり、固有の消防吏員が在籍している。ヘリコプターを運用する組織も消防本部に所属(装備部隷下の東京消防庁航空隊)しており、操縦士や整備士を含む隊員も、市町村からの出向や他組織からの派遣等ではなく東京消防庁固有の職員であるために、操縦士も消防学校を卒業して現場の消防署勤務経験のある消防吏員(消防官)の中から事業用操縦士の免許を取得した者である。
また、2014年に操縦士の確保に悩む長野県が東京消防庁を参考に県内の消防士から操縦士を養成することを決め、県内の消防本部の消防吏員を県職員として採用し操縦士免許を取得するための専門養成機関に派遣した。
なお、防災航空隊の隊員に関しては、市町村の消防本部から出向してきた救助隊員である。また、政令指定都市の消防航空隊の場合は消防局内の救助隊員を選抜して専任の航空救助隊を配置しているケースと、事案に合わせて特別高度救助隊などあらかじめ指定された部隊が搭乗するケースがある。いずれも隊員のうち数人は救急救命士であるケースが多い。
東京消防庁航空隊の航空救助員は特別救助隊の隊長経験者、航空救急員(救急救命士)は救急隊の隊長経験者から選抜しており、いずれも階級が消防司令補である。また、航空救助員以外にも特別救助隊や山岳救助隊、消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)が航空救助連携隊や航空連携降下指定隊に指定されており、事案に合わせてヘリに搭乗したり、地上からサポートする。
総務省消防庁では、大規模災害発生時における緊急消防援助隊の装備の充実強化を目的として,24時間運航を行える都市に対してヘリコプター1機を配備する事業を行っている。2014年7月現在において、東京消防庁航空隊、京都市消防局、埼玉県防災航空隊、高知県消防・防災航空隊に対して1機ずつ提供されている。また東日本大震災で防災ヘリを失った宮城県防災航空隊にも2013年3月に配備された。
広島県防災ヘリコプター
両隊協働でドクターヘリ的運航
ベル 412EPからアグスタウエストランド AW139に更新。
・防災航空センターから出動し,県内全域どこでも25分以内に到着可能です。
機体名:メイプル
製造会社:アグスタウェストランド社(イタリア製)
型式:AW139
全長:16.7m 全幅:4.2m 全高:4.98m
定員:16人,
エンジン最大出力1,679馬力×2基
最大全備重量:6400kg
機体重量:4581kg
最大速度:278km/h
巡航速度:250km/h
航続距離:730km
燃料:JET A-1
燃料タンク容量:1587リットル
燃料消費量:600リットル/h
運航受託会社:中日本航空
広島県防災航空センター
〒729-0416
広島県三原市本郷町善入寺94-22
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