△プサン市ヨンド(影島)のとある海岸。後姿の男性は「ヲタク」の義理の弟。
手をつないでいるのはその息子。この手前方向にもテントが連なっていた。
ここ数年、プサンで「ヲタク」家族がよく行動をともにしているのは
妻の妹家族だ。
昔はもっぱら妻の姉家族と行動をともにして来たが、姉の子ども
たちが成長し、成人したり社会人となって行く過程で、行動をともに
する相手が新しく結婚し子どもができた妹家族に自然に変わって
来たのだ。
妻の妹夫婦の子どもたちも、いつの間にか、上が小学校の
低学年、下は確か3歳。「ヲタク」家族の子どもたちといっしょに
遊んで回るのにちょうどいい年齢なのだ。
いずれにしろ、日本でも韓国でも親戚づきあいの軸は姉妹関係だ。
「ヲタク」の母(日本人)や妻(韓国人)の行動を見ていて、
つくづくそう思う。
韓国に行くと「ヲタク」は親戚の子どもたちから「イモブ(母の
姉妹の夫)」と呼ばれるのが一番しっくりくるし、「ヲタク」の
子どもたちも、「イモ」(母の姉妹)たちやその子どもたちに
一番なついている。
ところで、2006年夏のプサン滞在中、「ヲタク」家族は妹家族と
義理の母親といっしょに、ある小さな「海水浴場」を訪ねた。
妻が口コミで仕入れたヨンド(影島)の「海水浴場」だった。
名前は伏せておく。
人も混んでおらず、そこそこ楽しめる「海水浴場」ではあった。
しかし、水深が急に深くなるかなり危険な浜辺であった。5、6m
ほど水に入れば大人の肩が水面に沈んでしまうくらいだった。
陸から見ていた妻などはそれが信じられず、座っているように
しか見えないと言って驚いていた。
--- それもそのはず。
義理の弟がとんでもない(?)横断幕を発見した。
△横断幕には区長名で「ここは水泳禁止区域です」の文字が・・・
気が付くと、海岸のあちこちに「수영금지(水泳禁止)」の
警告文を書いた看板や横断幕があった。
義理の弟が、場所代(1万ウォン)を支払った海の家(?)の
おじさんに礼儀正しい口調で軽く抗議(?)しながら事情を
尋ねると、「監視員もいるので大丈夫だ」という返事が返ってきた。
見ると、確かに遠くから監視員らしき人物が浜辺を見張っていた。
見回り(?)に来ていた一人の警官も防波堤の上をうろうろして
いるだけで、海水浴客にあえて警告することもできない雰囲気で
あった。
子どもの頃から玄界灘の荒海(?)でそこそこ海水浴を楽しんで
きた「ヲタク」だったので、危険な浜辺ではあったものの、
子どもたちを常に監視しながらそれなりに海水浴を楽しんだ。
唯一、「ヲタク」の息子(小学生)がおぼれたマネをした時には、
さすがに肝を冷やしたが、後でその悪ふざけ(「ヲタク」ゆずり?)に
ついてかわいそうになるくらい叱られていたので、まずは
「よしとしておく」ことにした。
とは言え、二度とこの浜辺に来ないことだけは、親戚一同で誓い
合いながら帰途に着いた。
(終わり)
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