早春の花に黄色が多いのは、春先に受粉活動を始めるアブやハエの仲間が黄色い色に敏感だといわれていますが、初夏の散歩道でも多く目に付く黄色い花たちです。
キンポウゲ(金鳳花)が輝いていました。葉の形から「馬の足型」という別名があります、あまり似ていませんが。
同じキンポウゲ科のキツネノボタン(狐の牡丹)、野に咲き葉が牡丹に似ているのが命名由来ですが、金平糖のような緑の実が狐の余所行きのボタンかと思っていました。
ニガナ(苦菜)は名前の通り苦い味がするそうです。沖縄料理でンジャナとよばれるニガナは栽培もされているそうですが、ホソバワダンという別種です。
クサノオウの漢字名は、皮膚病に効く「瘡(くさ)の王」、薬草の中の王様「草の王」、黄色い汁を出すので「草の黄」という3つの説があります。
最近増えてきたブタナ(豚菜)はヨーロッパ原産で、フランス語の「豚のサラダ」から直訳されました。
ノゲシ(野芥子)は葉がケシに似ているからの命名ですが、ケシ科ではなくキク科です。
オニタビラコ(鬼田平子)の仲間のコオニタビラコが、春の七草のホトケノザ(仏の座)のことです。
もっともホトケノザという名前は、いたるところで咲いている紫色のシソ科の植物が完全に我がものにしたようですが。
ジシバリ(地縛り)は地面を覆いつくすように生い茂るので名前が付きました。
ミツバツチグリ(三葉土栗)は、西日本に生育するツチグリという太い根茎が食用になる野草に似ているので命名され、いたるところに顔を出していますが、本家のツチグリは絶滅危惧種になっています。
田んぼの水路の脇で見つけたトウダイグサ(燈台草)、苞葉の中の黄色い花を、灯心を立てて火をともす油皿に見立てました。
※フォロワーのKさんからコメントをいただいて、改めて見直しましたらどうも同じトウダイグサ属のノウルシ(野漆)のような気がします。前にブログで紹介したノウルシと同じフィールドで撮影したものでした。
そしてタンポポ(蒲公英)、この一帯はすべてセイヨウタンポポでしたが、嬉しいことに激減した日本古来のカントウタンポポが数を増やしてきているというニュースを最近眼にしました。
今日の花は我が歳時記には次の3種だけしか載っていませんでした。歳時記は改定されるたびに新しい季語の採用が行われ、芭蕉時代には千にも満たなかった季語が今では百倍を超えているそうですが、この花たちが今後も採り入れられるのは難しいかもしれません。
大宰府の畔道潰えきんぽうげ 山口青邨
たびらこの花に憩ひて古戦場 北田桃代
たんぽぽの絮言霊に似てあそぶ 神尾久美子
陽の欠片ブタナたんぽぽ金鳳花 顎鬚仙人
ところで冒頭のキツネノボタンのようにキツネのついた野草の名前は、拙ブログでもキツネアザミ、キツネノカミソリ、キツネノマゴを載せたことがありましたが、それぞれ違った命名由来があるようでした。(異説もあります)
キツネアザミ:アザミに似ているけど葉に棘が無くキツネに騙されたよう
キツネノカミソリ:葉が剃刀の形で、葉の色もキツネ色
キツネノマゴ:花が狐の孫のようにかわいい、花の出ている花序が狐の尾っぽのよう
放映中の朝ドラの主人公牧野博士の命名した植物は、新種や変種など2500種以上とされます。その傑作というべきイヌノフグリ(犬の陰嚢)、ハキダメギク(掃溜め菊)などは拙ブログでも取り上げたことがありました。この二つの名は、それぞれ形が似ているから、発見した場所から、付けたと伝わります。
キツネを付けた先人は不明ですが、その真意も本人に聞いてみないとわからないと思いました。
いつも拙ブログへのご訪問ありがとうございます。
実は仙人も「灯台」だと思っていました。この仲間は改めて調べてみると
似たような種類があって区別が難しいようですね。その結果、どうもこの花は
トウダイグサではなく同属のノウルシ(野漆)のような気がしています。
牧野富太郎博士ならぬ俄か貧太郎は、こういうことの繰り返しです。
どうぞよろしくお願いいたします。
拙ブログへのご訪問ありがとうございます。
野の花は山歩きの時代から興味がありましたが、遠出を止めた仙人の生活に
なった頃から、特に周りの草花に目がいくようになりました。
そんなに詳しくはないのですが、わからない花の名前を調べていくのもまた
楽しいことです。どうぞよろしくお願いいたします。
読み応えのあるブログありがとうございました。
ことり