専門的な道具や材料などを使って作り込めば、それ相応の表現ができると思いますが、最初から完成されている既製品を使用するのではなく、身近にあるものを上手に活用しながら創意工夫して作り上げていくことが醍醐味かつ楽しみであり、クリエイティブな作業を通してイメージ力の展開にもつながっていきます。
実際に山海へ行ってきて感じたイメージを元に制作開始です。
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まずは樹木を作ります。
枯れた木の枝を使用し、そこに細かくして着色したスポンジを貼りつけていきます。
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乾燥時間を利用して、ダンボールを土台とした海にとりかかります。
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最終的な色味をイメージしながら変化が出るように波打ち際を彩色。
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次に、発泡スチロールでベースとなる地形を立体的に削っていきます。
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下地色が白色のままだとナチュラルな雰囲気が出ないので、淡い色調の色を塗り重ねて深みをもたせます。
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海の上に地形を接着したあとで、木を植えていったり、残りのスポンジで生い茂る草を表現します。
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庭で拾ってきた小石や小枝を波打ち際に配置して接着し、その上から海全体にボンドを流します。乾燥させることによって透明でツヤのある水の表情を出します。
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切り立った崖には侵食されてむき出しになった岩などを。
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地形にボンドを塗り、砂をふりかけて自然な風合いを出します。
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100円均一の「卓上ミニほうき」で枯れ草を表現。
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白波など細かいところを絵具で調色して微調整します。
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視点を変えたりすることで全体的なバランスや流れなどを確認。
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そして、地形の両側面と背面の三方を処理して完成~!!
いかがですか?
本格的な素材にこだわらなくても立派なジオラマが出来ました。
ご本人にお尋ねしたところ、この作品はこれで終了だそうですが、この先の発展系としては人間などの生き物や人工物を作って装飾することにより空間にストーリー性をもたせたり、時間の概念を注入することで幅や奥行き感が出たりなど多種多様な見せ方もあります。