手作りや手書きにこだわるデザイナーの水島悟は、自身が内装を手がけた喫茶店
「ピアノ」で、小さな商社に勤める謎めいた女性・美春みゆきと出会う。自分と
似た価値観のみゆきにひかれた悟は意を決して連絡先を聞くが、彼女は携帯電話
を持っていないという。そこで2人は連絡先を交換する代わりに、毎週木曜日に
「ピアノ」で会う約束を交わす。会える時間を大切にして丁寧に関係を紡いでいく
悟とみゆき。しかし悟がプロポーズを決意した矢先、みゆきは突然姿を消してしまう。
みゆきが携帯電話を持っていない、二人が会えるのは木曜日だけという設定には
古臭さが作品として功を奏しているのでは?会えない六日間が二人の愛の熟成を
促進している。連絡が取れないことが相手を想うことになり、二人の愛を深める。
波瑠さんが品のある物静かな佇まい、落ち着いた台詞回しで、謎めいた雰囲気の
みゆきを好演していますね 二宮和也さんは、仕事は出来るが上司に手柄を横取り
されてしまう人の良い悟を流石の演技で熟しています
終盤のみゆきへの想いを語るシーンが感動的でついつい涙腺が緩んでしまいました
終盤。突然消えたみゆきの行方はこの手の作品の定番ですが、観客の感情を煽る
ような劇的展開にはせず、淡々と進行しています その方が現実的であり、却って
感情は動く。泣ける。ラスト。漸く希望の光が二人に差し込み、二人の愛の物語の
第二章が始まる。粘り強くみゆきを支える悟の姿に時代を越えて普遍的な愛の強さ
を感じた作品でした
北野武の作品だから見に行きました ふと1950年代の映画「ローマの休日」
「めぐり逢い」 等を思い出す何年たったもお勧めした作品でした ☆☆☆☆