先日・11月9日(日)、『“わがまま”発揮イベント』を開催しましたので、その概要を報告します。
【 天候と参加者 】
当日は生憎の雨模様の天候になりました。
事前に確認した週間天気予報では大丈夫!だと思ったのですが、前日の予報で急に“雨”になった程で、「 誰が、雨男? 」と思えた程でした。
急に雨の予報に変わった事で、事前の予約者の中からキャンセルが出る事も十分に予想されたのですが、しかし!、参加予約した人は全員が揃ったのです。
それだけ、このイベントの内容に期待している気持ちの大きさを表しているのでしょう。
参加者は合計で 4名。
その中で、紅一点は遠路静岡からの参加者も、天候に関係無く会場に到着していました。
そんな熱いムードの中、イベントは始まったのですが、結果的に見れば、その彼女の為、彼女の“わがまま”が十二分に達成された一日になったのです。
【 雨は恵みの条件 】
話は前後しますが、練習やセッティングの際には“雨”は大変に貴重な存在です。
というのも、晴れて路面がドライの場合には多少の無理な運転操作をしても無理は効きますし、多少セッティングや整備不良があったとしてもごまかしが出来るのですが、雨のウェット路面では違います。
ドライ路面ではタイヤのグリップの限界は高く、その高い限界域の中から外れない限りは、多少無理な操作でグリップを失ったとしても、何事も無かったかの様に走れるものです。
しかも、最近のハイグリップタイヤを装着していると、限界まで使い切る事の方が難しく、オートバイの事を考慮しない乱暴な操作をしている場合もよく見かける程です。
同様に、そんな高グリップタイヤに甘えて、無理な運転操作に合わせて、誤ったセッティングを行なっている場合も数多く見受けられるものです。
しかし、ウェット路面だとグリップ限界が下がる為、運転操作の素性とセッティングの正しさがはっきりと露呈するものです。
だから、雨の日に練習やセッテイングを施す事はとても貴重な機会なのです。
【 参加者量とわがまま 】
参加車両は、1台の ヤマハSR400(改)を除き、他は全てが ホンダVTR 250 でした。
そして、カリキュラムの基本となる“わがまま”を聞けば、SRの彼は 「前後の車高バランスをチェックする事と、走り方をチェックして欲しい」というもの。
遠征の彼女の“わがまま”は、「乗りやすいセッティングにしているが、オーバル走行時に少し怖く感じるので対処したい」というもの。
もう一台の VTRの彼は、雨の中ずぶ濡れになって到着した後で、「先ずは寒いので暖まりたいし、くつ下を乾かしたい」というもの。
参加する限り、参加した人の“わがまま”は公平に扱うのがイベントのルール。
どの人の“わがまま”も実現できる様に、イベントの基本カリキュラムを設定して、逐次“わがまま”実現させる為の質問や要望を受け付ける約束をお互いに交わしてイベントは始まったのです。
【 意外な結果 】
ストレッチ&柔軟体操の後、簡易コースで車体も含めたウォームアップをして、いよいよ基本的操作の確認練習です。
直線狭路を使って、ブレーキ無しで極低速走行を行ない、車体と身体のバランスを各自で何度かチェックを最初に行ない、これは全員が問題無く、バランス良くクリア。
しかし、同じ直線狭路を使っての急発進と急制動を行なった時に問題が見えました。
急加速や急減速をする場合も、極低速直線走行時と同様に、車体と人体とのバランス関係は変わらないものですし、その関係が崩れない事を確認する練習走行だったのですが ・・・
SRの彼、極低速時の片手走行で問題無かったのに、急加速時に僅かに車体が右方向へとブレる現象が出たのです。
急加速といってもライダーの操作量は少なく、よほど変な操作をしない限りは出ない現象なので、当然車体側に何等かの原因があると考えるのが当然です。
その彼は、1997年当時から定期的に参加している方で、運転技量は Eクラス、しかも整備知識や整備能力は フライス盤や旋盤を所有して日頃からスクラッチ&ビルドをしている程の技量で、社旅の前後タイヤの整列まで確認している程。
が、その走る姿を後ろからチェックすると、車体・フレーム側に問題が潜んでいそうな様子で、その事を伝えると、明晰な彼は日頃から感じていた車体のマナーと照らし合わせて原因究明の方策を考えていったのです。
良かった!
原因が潜んでいる事をはっきりと認識せずに、ライディング技量を磨こうとしたりしても無駄になるし、セッティングは間違った方向へと進むものだから、早く確認できて良かったのです。
【 彼女のウロコ 】
雨でも遠路参加する程の彼女です。
聞けば、車両購入してから 整備マニュアルとパーツリストを買い揃え、前後のスタンドや各種の整備用工具も買い、日頃からフロントフォークオイルや注入器さえ持参しているとの事、その上上、車体や整備の知識や用語にも精通していて誤りも無いほど、滅多に見かけない程の方です。
車体にはそんな努力の跡が随所に見て取れる程ですが、それでも「 乗りやすいけど、時に怖く感じるし、十分にバンクが出来ない 」とは、解決できない悩みもあったのです。
基本的走行練習の後、四角形に配置した 4本のパイロンの周りを走行する練習、“ 4本パイロン走行 ”を ノーブレーキで幾つかの大きさの 四角形で走ってもらって車体の動きをチェックしました。
・・ 車体のセッティング・整備状態を確認する時だけでなく、ライダーの運転操作をする時も、ライダーの姿は一切見ないのが基本です。 車体のバンク角とフロントフォークのストローク量、フロントタイヤの舵角の変化などを見る事だけが一番大切で、それだけで 車体とライダーの“くせ”が判るものです ・・・
幾つかの要素を確認した後で、彼女の VTR(3型)のシートを外して 2型のシートに交換して、再度走ってもらう事になりました。
すると! 不思議。
ターンイン時の操作やターン中の操作に“余裕”が出たのか、車体の動きが滑らかになったのです。
そんな違いをはっきり感じ取って確かめているのか、走る彼女はなかなか戻らず、戻ってきても複雑な表情。
「 以前も、シートを交換した事はあったのですが、眼からウロコが・・・ 」
そう!これも ノーブレーキで簡単なチェック走行を ウェット路面で行なえた成果でしょうか。
そうして、一つ一つの 確認ポイントを、理解が追いつく範囲で進めたのです。
「 ステムベアリング荷重の再調整で適正舵角変化の確保 」
「 前後の車高バランス取り 」
「 残ストローク量調整による直進安定性の確保 」
・・ 等など
当日は、同じ VTRで、全くノーマル部品だけで 車体全体のバランス取りと整備を行なった車両とも乗り比べ、ノーマルでも整備や正しいセッティングの効果の大きさを肌で感じる事が出来た様です。
【 今後の予定 】
日頃から伝えてきた、車体の整備とセッティング作業の大切さが実感してもらえた一日になりましたが、その基本知識は十分に広まっていない事も実感しました。
その為、更にそれらの理解を広める為にも、ブログと公式Webサイトを通じての知識や経験の伝達を行ない、それを実際に体験してもらう場としてイベント開催を続けていきます。
次回の開催予定は、同じ会場で、2015年1月 と 3月に行なう予定です。
もちろん、「 出張して同じようなイベント開催を! 」という要望があれば、喜んで出張も行ないますので、気軽に要望を寄せて下さい。
とにかく、正しい車両状態にしてやるだけで、乗るのが一層楽しくなるし、自然にライディング技量は向上するものです。( 誤った車両状態では危険なだけです )
また、次の機会、お会いしましょう。
* * * * *
【 参加者の感想文 】
○ SR400の彼 ・・・ 「 乗ってみると、何かが? 」
○ VTR250の彼女 ・・「 きちんと整備して、自信を持って参加したけど !! 」
【 天候と参加者 】
当日は生憎の雨模様の天候になりました。
事前に確認した週間天気予報では大丈夫!だと思ったのですが、前日の予報で急に“雨”になった程で、「 誰が、雨男? 」と思えた程でした。
急に雨の予報に変わった事で、事前の予約者の中からキャンセルが出る事も十分に予想されたのですが、しかし!、参加予約した人は全員が揃ったのです。
それだけ、このイベントの内容に期待している気持ちの大きさを表しているのでしょう。
参加者は合計で 4名。
その中で、紅一点は遠路静岡からの参加者も、天候に関係無く会場に到着していました。
そんな熱いムードの中、イベントは始まったのですが、結果的に見れば、その彼女の為、彼女の“わがまま”が十二分に達成された一日になったのです。
【 雨は恵みの条件 】
話は前後しますが、練習やセッティングの際には“雨”は大変に貴重な存在です。
というのも、晴れて路面がドライの場合には多少の無理な運転操作をしても無理は効きますし、多少セッティングや整備不良があったとしてもごまかしが出来るのですが、雨のウェット路面では違います。
ドライ路面ではタイヤのグリップの限界は高く、その高い限界域の中から外れない限りは、多少無理な操作でグリップを失ったとしても、何事も無かったかの様に走れるものです。
しかも、最近のハイグリップタイヤを装着していると、限界まで使い切る事の方が難しく、オートバイの事を考慮しない乱暴な操作をしている場合もよく見かける程です。
同様に、そんな高グリップタイヤに甘えて、無理な運転操作に合わせて、誤ったセッティングを行なっている場合も数多く見受けられるものです。
しかし、ウェット路面だとグリップ限界が下がる為、運転操作の素性とセッティングの正しさがはっきりと露呈するものです。
だから、雨の日に練習やセッテイングを施す事はとても貴重な機会なのです。
【 参加者量とわがまま 】
参加車両は、1台の ヤマハSR400(改)を除き、他は全てが ホンダVTR 250 でした。
そして、カリキュラムの基本となる“わがまま”を聞けば、SRの彼は 「前後の車高バランスをチェックする事と、走り方をチェックして欲しい」というもの。
遠征の彼女の“わがまま”は、「乗りやすいセッティングにしているが、オーバル走行時に少し怖く感じるので対処したい」というもの。
もう一台の VTRの彼は、雨の中ずぶ濡れになって到着した後で、「先ずは寒いので暖まりたいし、くつ下を乾かしたい」というもの。
参加する限り、参加した人の“わがまま”は公平に扱うのがイベントのルール。
どの人の“わがまま”も実現できる様に、イベントの基本カリキュラムを設定して、逐次“わがまま”実現させる為の質問や要望を受け付ける約束をお互いに交わしてイベントは始まったのです。
【 意外な結果 】
ストレッチ&柔軟体操の後、簡易コースで車体も含めたウォームアップをして、いよいよ基本的操作の確認練習です。
直線狭路を使って、ブレーキ無しで極低速走行を行ない、車体と身体のバランスを各自で何度かチェックを最初に行ない、これは全員が問題無く、バランス良くクリア。
しかし、同じ直線狭路を使っての急発進と急制動を行なった時に問題が見えました。
急加速や急減速をする場合も、極低速直線走行時と同様に、車体と人体とのバランス関係は変わらないものですし、その関係が崩れない事を確認する練習走行だったのですが ・・・
SRの彼、極低速時の片手走行で問題無かったのに、急加速時に僅かに車体が右方向へとブレる現象が出たのです。
急加速といってもライダーの操作量は少なく、よほど変な操作をしない限りは出ない現象なので、当然車体側に何等かの原因があると考えるのが当然です。
その彼は、1997年当時から定期的に参加している方で、運転技量は Eクラス、しかも整備知識や整備能力は フライス盤や旋盤を所有して日頃からスクラッチ&ビルドをしている程の技量で、社旅の前後タイヤの整列まで確認している程。
が、その走る姿を後ろからチェックすると、車体・フレーム側に問題が潜んでいそうな様子で、その事を伝えると、明晰な彼は日頃から感じていた車体のマナーと照らし合わせて原因究明の方策を考えていったのです。
良かった!
原因が潜んでいる事をはっきりと認識せずに、ライディング技量を磨こうとしたりしても無駄になるし、セッティングは間違った方向へと進むものだから、早く確認できて良かったのです。
【 彼女のウロコ 】
雨でも遠路参加する程の彼女です。
聞けば、車両購入してから 整備マニュアルとパーツリストを買い揃え、前後のスタンドや各種の整備用工具も買い、日頃からフロントフォークオイルや注入器さえ持参しているとの事、その上上、車体や整備の知識や用語にも精通していて誤りも無いほど、滅多に見かけない程の方です。
車体にはそんな努力の跡が随所に見て取れる程ですが、それでも「 乗りやすいけど、時に怖く感じるし、十分にバンクが出来ない 」とは、解決できない悩みもあったのです。
基本的走行練習の後、四角形に配置した 4本のパイロンの周りを走行する練習、“ 4本パイロン走行 ”を ノーブレーキで幾つかの大きさの 四角形で走ってもらって車体の動きをチェックしました。
・・ 車体のセッティング・整備状態を確認する時だけでなく、ライダーの運転操作をする時も、ライダーの姿は一切見ないのが基本です。 車体のバンク角とフロントフォークのストローク量、フロントタイヤの舵角の変化などを見る事だけが一番大切で、それだけで 車体とライダーの“くせ”が判るものです ・・・
幾つかの要素を確認した後で、彼女の VTR(3型)のシートを外して 2型のシートに交換して、再度走ってもらう事になりました。
すると! 不思議。
ターンイン時の操作やターン中の操作に“余裕”が出たのか、車体の動きが滑らかになったのです。
そんな違いをはっきり感じ取って確かめているのか、走る彼女はなかなか戻らず、戻ってきても複雑な表情。
「 以前も、シートを交換した事はあったのですが、眼からウロコが・・・ 」
そう!これも ノーブレーキで簡単なチェック走行を ウェット路面で行なえた成果でしょうか。
そうして、一つ一つの 確認ポイントを、理解が追いつく範囲で進めたのです。
「 ステムベアリング荷重の再調整で適正舵角変化の確保 」
「 前後の車高バランス取り 」
「 残ストローク量調整による直進安定性の確保 」
・・ 等など
当日は、同じ VTRで、全くノーマル部品だけで 車体全体のバランス取りと整備を行なった車両とも乗り比べ、ノーマルでも整備や正しいセッティングの効果の大きさを肌で感じる事が出来た様です。
【 今後の予定 】
日頃から伝えてきた、車体の整備とセッティング作業の大切さが実感してもらえた一日になりましたが、その基本知識は十分に広まっていない事も実感しました。
その為、更にそれらの理解を広める為にも、ブログと公式Webサイトを通じての知識や経験の伝達を行ない、それを実際に体験してもらう場としてイベント開催を続けていきます。
次回の開催予定は、同じ会場で、2015年1月 と 3月に行なう予定です。
もちろん、「 出張して同じようなイベント開催を! 」という要望があれば、喜んで出張も行ないますので、気軽に要望を寄せて下さい。
とにかく、正しい車両状態にしてやるだけで、乗るのが一層楽しくなるし、自然にライディング技量は向上するものです。( 誤った車両状態では危険なだけです )
また、次の機会、お会いしましょう。
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【 参加者の感想文 】
○ SR400の彼 ・・・ 「 乗ってみると、何かが? 」
○ VTR250の彼女 ・・「 きちんと整備して、自信を持って参加したけど !! 」