富山県総合体育センターには「AED（自動体外式除細動器）」が配備されている。
「AED」とは、心室細動や無脈性心室性頻拍といわれる不整脈によって停止した心臓に電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための機器だ。本来は専門知識を有する医療関係者だけが扱うことができたものなのだが、病院外で心臓が原因で突然心肺停止状態となる発生数は、今や年間２－３万人と増加傾向にあるという。スポーツを実施中に心停止となり死に至るケースも少なくない。救急隊に連絡し、心停止となった患者をいち早く医療機関に搬送するとしても、搬送中に死亡するケースがほとんどであることから、一般の人にも手軽に除細動を行えるようにと開発された。これによって、心停止から除細動実施までの時間を大幅に短縮できる事が見込まれる。
ここの職員は、心肺蘇生の手順と方法やAEDの取り扱いに必要な知識や対処法を学んでおり、「そのとき」には、的確に判断・行動ができるよう「備え」をしてある。
念のためお断りしておくが、AEDは前述の不整脈による心停止にのみ有効であって、その他の原因による心停止には効果がない。
「備えあれば憂いなし」なのだが、これが頻繁に活躍するようにならないことをねがう。
