群賢各随所安
ひとりなほ仏の道をたづねみんおのおの帰れ法(のり)の庭人
半紙
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【題出典】『止観輔行伝弘決』一・一
【題意】 群賢各おの所安に随え。
多くの賢者よ、それぞれ思う所に従え。
【歌の通釈】
ひとりでさらに仏道を追究しよう。それぞれの道に帰りなさい。法を求め集まる人々よ。
【考】
天台大師が人々を教化する中で、次第に法を得るものが少なくなっていったの、自らの修行の妨げとなるとして、人々を帰して、一人で行に励むことを宣言する場面を詠んだもの。
(以上、『寂然法門百首全釈』山本章博著 による。)
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▼ぼくも、教師を42年もやってきたのですが、「教える」ことは、かえって「学ぶ」ことの妨げになるような気のするときもあったような気がします。とくに、ぼくが興味を持っていることを、かなり情熱的に、バカみたいに力んで話しても、あまり反応がないときは、ああ、こんなことしゃべらなきゃよかった、と後悔したものです。「一人で行に励む(学ぶ)」ということは大事なことですね。