持てる力を決して発揮させない仕組み。日本の国家としての力をシロアリのように食いつぶす仕組み。それが憲法9条であり、集団的自衛権に関する内閣法制局の虚(うつ)ろな解釈、さらには、机上の空論の現行防衛法制である。
こうした事態が見えてくるからこそ、国民は訝(いぶか)るのだ。日本国は大丈夫か、と。そして切望するのだ。個々の都議への異例の応援もよいが、首相には日本の行く末について大戦略を考えてほしいと。
首相が決断すべきことは、ほかでもない。安倍晋三元首相が始めた集団的自衛権の行使を禁じた政府解釈の見直しである。幸いにも「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」がすでに立派な報告書を出している。同報告書を、来る衆院選で自民党の公約として掲げるのがよい。それが日本の新たな大戦略を切望する国民の期待に応える道であり、自民党の危機を救う道でもある。 (MSN産経)