日本の財政悪化が危機的水準に落ち込むことが確実になっている。2日発表の2009年度上半期税収は前年同期比2割を超えるマイナス。年間でも、歳入を補う新規国債発行が税収を大幅に上回り、過去最大の50兆円に達するのが避けられない情勢だ。国債発行額が税収を上回るのは戦後の混乱期だった1946年以来の事態。10年度も景気の急回復が見込めない中、鳩山由紀夫首相は国債発行を麻生政権が計画した額よりも抑制する目標を示しているが、達成は至難の業だ。
10年度税収は税制が現状のままでも40兆円前後にとどまる見通し。衆院選マニフェストで掲げたガソリン税の暫定税率を撤廃すれば約1.7兆円分の穴が開く。国債発行額が2年連続で税収を上回る「異常事態」となる見通しだ。
また10年度予算に関しては、鳩山首相が各閣僚に「査定大臣」として概算要求を圧縮するよう指示したにもかかわらず、過去最大の95兆円規模に膨張。首相は「92兆円以下」に削り込みたい考えだが、予算の無駄洗い出しを担う行政刷新会議は、実働部隊となる「事業仕分けチーム」の人選をめぐる混乱もあり、作業の遅れが懸念されている。
鳩山首相は2日の衆院予算委員会で来年度の国債発行について「極力抑えなければいけない。(今年度発行計画の)44兆円を超えないよう努力をする」と強調した。しかし、債券市場では国債増発懸念から長期金利にじわじわと上昇圧力が掛かり始めた。中長期的な財政再建の目標も示されておらず、「海図なき航海」(藤井裕久財務相)に突き進む可能性が出ている。(2009/11/02-23:03) (続きあり)(時事ドットコム)
(2009.10.15 19:33 MSN産経記事、一部抜粋)
ところが、選挙対策のためか、衆院選中は反対論へとかじを切った。8月23日のテレビ番組では国債増発を完全否定し、大勝が確実になった投開票日(同月30日)のテレビ出演でも、無駄遣い削減の限界を理由とした赤字国債発行に対し、反対の姿勢を貫いた。
鳩山首相は10月14日、「後世の子供たちにツケを増やすことになる」「いろいろな経済、雇用の問題があり必要な予算がある。今まで考えていなかった部分が出てくる可能性もある」と繰り返し、国債発行容認方針について弁明した。(続きあり)
民主党の甘い言葉に賭けた国民の、大きな見込み違いが早くも現実となりつつある。
選挙前から民主政権を信用できなかったことの一つは、民主党が財源の裏付けを示そうとしなかったことである。選挙前鳩山氏は、無駄を省けばできると言っていた。「無駄遣い削減の限界を理由とした赤字国債発行に対し、反対の姿勢」だった。あれは何だったのか。 鳩山氏はその場その場で適当なことを言ってしまう。 こういう人のもとで、「海図なき航海」に突き進む可能性とは、恐ろしいことだ。