真実を知りたい-NO2                  林 俊嶺

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竹島領有権問題その5(内務省稟議書と太政官指令)

2010年01月26日 | 国際・政治
 竹島領有権の問題を考えるとき、鬱陵島や竹島(独島)に関わりを持っていた個人・団体・地域・組織などの判断や当時の実態が重要であることはいうまでもないが、国家の最高機関である太政官の「竹島外一島の件に対して、本邦は関係なしと心得るものなり」の指示は、”決定的”であると思う。また、文書の中に、「…元禄5年朝鮮人(安龍福を指す)入島以来…」とあることから、竹島外一島の「一島」が松島(現竹島)であることを否定することも難しい。「史的解明 独島(竹島)」愼鏞廈<著 >韓誠<訳>(インター出版)からの抜粋である。
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第6章 明治政府の独島、朝鮮領有の再認識

2 日本内務省の独島、朝鮮領土再確認


 ・・・
 内務省は1876年に日本国土の地籍を調査し、地図を製作する過程において、1876年10月16日付の公文書で島根県の地図に鬱陵と独島を含めるべきか、含めるべきでないかについて、島根県当局から質疑書を受け取った。
 ・・・

 日本海内竹島外一島地籍編纂方伺

 竹島所轄之儀ニ付島根県ヨリ別紙伺出取調候処。該島之儀ハ元禄5年朝鮮人入島以来別紙書類ニ摘採スル如ク元禄9年正月第1号舊政府評議之旨意ニ依リ2号訳官ヘ達書3号該国柬4号本邦回答及ビ口上書等之如ク則元禄12年ニ至リ夫夫往復相済
本邦関係無之相聞候得共版図ノ取捨ハ重大之事件ニ付別紙書類相添為念此段相伺候也。
                    明治10年3月17日
                           内務卿 大久保利通代理                                   内務少輔 前島密
        右大臣 岩倉具視殿


───上記の口語訳───
 日本海内竹島外一島の地籍編纂に対する伺書

 竹島所轄の件に対して島根県から別紙の稟議書が回ってきて調査したところ、該島の件は、元禄5年朝鮮人(安龍福─著者)が入島して以来、別紙書類に抜き書きしたように元禄9年正月の第1号の旧政府の評議の主旨によると、第2号訳官に与えた達書(たっしがき)(通達)、第3号該国から来た公簡、第4号本邦回答及び口上書などと同じであり、すなわち元禄12年になって双方からの書状の交換が終了し、
本邦に関係がないと聞いていますが、版図の取捨は重大案件である故、別紙の書類を添付し、指示をお伺いします。
                    明治10年3月17日
                           内務卿 大久保利通代理                                   内務少輔 前島密
        右大臣 岩倉具視殿


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3 太政官による独島、朝鮮領土再確認

 国家の最高機関である太政官(右大臣・岩倉具視)は内務省の稟議書を検討した結果、1870年3月20日付けで、”稟議趣旨の竹島外一島に対して本邦(日本─著者)は関係なしと心得る”と次のような指令文を作成し、決定した。

 ・・・

明治10年3月20日
大臣 印 本局 印 印
参議 印
卿輔 印
別紙内務省伺日本海内竹島外一島地籍編纂之件。右ハ元禄5年朝鮮人入島以来舊政府該国ト往復之末逐ニ本邦関係無之相聞候叚申立候上ハ伺之趣御聞置左之通御指令相成可然哉。此叚相伺候也。
御指令接
伺之趣竹島外一島之義本邦関係無之義ト可相心得事

───上記口語訳───
明治10年3月20日
大臣 岩倉具視
別紙内務省稟議の日本海内竹島外一島地籍編纂之件

 右の件は元禄5年朝鮮人(安龍福─著者)が入島以来、旧政府と該国(朝鮮─著者)との往復の結果、本邦とは関係なしと聞き、申し立ての稟議の趣旨を聞き、次のような指令を作成し、この件に対し稟議する。

 指令案


 稟議趣旨の竹島外一島の件に対して、本邦は関係なしと心得るものな


 http://www15.ocn.ne.jp/~hide20/ に投稿記事一覧表および一覧表とリンクさせた記事全文があります。一部漢数字をアラビア数字に換えたり、読点を省略または追加したりしています。また、ところどころに空行を挿入しています。読み仮名は半角カタカナの括弧書きにしました(一部省略)。青字が書名や抜粋部分です。赤字は特に記憶したい部分です。「・・・」は段落全体の省略を「……」は、文の一部
省略を示します。 

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