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ゆうこは還暦を過ぎ、61歳になってしまった。
ご隠居様の年齢に達したのに、
中身はいつまでも12歳のままだ。
身体は着実に老化の一途をたどり、朽ちていくのに、心はいつまでもある年齢を境に歳を取らない。
まわりからみるとおじいちゃんやおばあちゃんに見えるかもしれないけれど、
本人的には(自分の姿は鏡に写らない限り一部分しか見えないので)、老人扱いしてほしくないと思ってる。
孫からおじいちゃんとかおばあちゃんとか呼ばれるのは嬉しいかもしれないけれど、
他人からそう呼ばれるのは嫌だったりするんだよね。
現役の頃役職に就いていたり、それなりの地位についていたり、仕事で業績を上げていたりすると、現役を退いたあともいつまでも過去の栄光にとらわれてしまうことが多い。
とくに「師」がつく仕事に就いている人はいつまでも「先生」と呼ばれることを当然と思い、特権階級扱いされないと機嫌をそこねたりするのが世の常。
中には謙虚な人もいるけれど、
権力をふりかざし、力でねじ伏せようとする人もいる。
優しくて親切で真面目な人はお客様からの信頼も厚く、人気者だったりするんだけど、
くだらないやっかみとか妬みとかで現場から去らないといけない運命をたどったりする。
「薬剤師はスピードが全て。」
たしかに待ち時間は短いほうがよいのかもしれないけど、
人と人とが触れ合うのが「対人業務」なのではないだろうか。
お医者様には聞けない素朴な疑問や、お医者様からの難しい説明についての疑問などなど、気軽に聞ける薬剤師の存在は重要だと思うんだ。
薬学部が6年制に移行した本来の目的はセルフメディケーションの普及と医薬分業の推進だったような気がするのに、なぜかお互いにお互いを敵視し、歩み寄ろうとしないことが結構あったりする。
薬学部6年制スタートと同時に「登録販売者」という資格が新たに創設され、ドラッグストアでは今や登録販売者がメインになってお客様の相談に応じている。
「登録販売者」というとピンと来ないが市販薬を買うときにアドバイスしてくれる人々。
彼らは常に新たな知識を身に付け、現場で経験を重ねている。
そもそもゆうこがブログを書きはじめたのは「登録販売店」の出現でOTC(←市販薬のこと)の現場を追われ、SNSの世界に足を踏み入れて、「ココヤク」という薬剤師専用サイトをみつけたからだった。
ある日突然リクルートに吸収されてしまったけれど、「ココヤク」は私にとって思い出深い場所であり、そこで出会った人々のおかげで立ち直れたわけだし、様々な勉強をさせてもらった。
十人十色というけれど、薬剤師にもいろいろな薬剤師がいていいと思う。
4年制卒の中には現場で培ってきたノウハウを持っている人もいるのだから、最先端の知識を持つ6年制と共存共栄していけばいいのに…。
なんだかんだ騒いでるうちに月日が経ち、世の中に「登録販売者」という存在が広く認められ、薬学部6年制からすでに10年以上の月日が流れている。
6年制卒の薬剤師が中堅を担い、医薬分業が当たり前になり、ドラッグストアなどの面分業が珍しくなくなり…。
これからの薬剤師はオールマイティーが求められるし、超高齢化の中で在宅医療が脚光を浴びてチーム医療の一員として活躍していくのだから、うかうかしてなどいられない。
が、しかし、
老いては子に従えとはよく言ったもので、年齢と共に着実にスピードが落ちて行く。
「こんなはずではなかったのに。」と、自分で自分にイライラしたり、悲しくなったり。
もうダメなのかな。
引退の時期が訪れたのかな。
などと、落ち込んだりもする。
趣味のテニスでさえ、誰かが上のクラスに上がると複雑な心境だ。
今のクラスが自分には合ってると思っていたのに、それは自分で自分に言い聞かせていることに今さらのように気づかされて…。
還暦過ぎたら一歩退くのが当たり前だと思っていたけれど、
気持ちは残念ながら年を取らないので、テニスも仕事も不完全燃焼に感じてしまって…。
若い人がうらやましいとか、第一線で活躍してる人がうらやましいとか、思っちゃってて…。
誰も何も言ってないのに「戦力外通告」されたようで虚しい気持ちになったりする。
第一線で活躍するのはしんどいことがわかってるのに。
自分の中に脚光を浴びたいという気持ちがまだくすぶっていたのか。
処方箋が次々と流れてくるあの緊張感が好きだったのか。
まったりと過ぎ行く時間の中で昔を振り返る。振り返っても何も起きないことはわかってるくせに過去の栄光を思い出してしまってる。
夫がいて子供たちがいてそれでいいじゃないか。
でも、
何ひとつまともに出来ていないことに気付いては自信がなくなってゆく。
そうか。やっぱりブレイン君の言う通り低レベルな薬剤師だったんだなとか。
自信がなくなると何もかもが嫌になり投げ出したくなる。
でも、
みんな頑張ってるのに自分だけ逃げるのは卑怯だ、と我に返る。
精神的にかなり追い詰められているのは事実だ。
やはり男性薬剤師が怖い。
でも、
中には優しい男性薬剤師もいたりする。
前の職場を辞めたのは女性薬剤師の暴言だった。
なぜ人は自分のことは棚にあげて相手を責めまくるのだろうか。
でも、
自分自身も子育て中に同じことをやっていたのかもしれない。
前進あるのみ。
そう考えられる人間になりたいけれど、足踏みしたり後ずさりしたり。
「根性ないわねえ。」と言われても…。怖いものは怖い。
今までの人生の中で「嫌だ。」とか「断る。」とか言えずにいた。
他人からの評価が気になるから、たとえやりたくないことでもキチンとやってしまう。
だから更にいろいろと頼まれてしまう。
抱えきれないほどの用事を抱えてしまうからキャパシティ越えちゃって精神的に追い詰められちゃうんだよね。
テニススクールもレベル別クラス編成だから他人とは比べないと誓っても現実を突きつけられてしまうんだ。
上手になりたい。
レベルアップしたい。
そう思っていたんだー、と他の人が上のクラスに上がったのを見て気がつくなんて皮肉なものだ。
ジムに通って痩せようとか脚力鍛えようとか思ったのに、結局一回しか行ってない。
なんだか忙しくてブログの更新すらままならない。
何が原因なのか。
主婦業は手抜きしてる。
仕事は週に3回のみ。
う~ん。
もしかしたら忙しいのではなく、精神的に疲れてるのかもしれない。
楽しいことをしなきゃ。
でも、
何をしても楽しくない。
だってコロナだから。
警戒宣言はあけたけれど、心のとこかに後ろめたさがある。
コロナ鬱(うつ)?
それとも初老期うつ病?
いや、たぶん、これまでの疲れが出たのかもしれない。
長い間人生のトンネルの中をさまよってきたからかな。
もう目が覚めなければいいのに。と眠りにつき、朝目が覚めてがっかりした日々は終わったけれど、
衝撃的な出来事や、深い悲しみにくれる出来事はなくなることはない。
それでも生きなければならないのなら面白おかしく生きてやるぞ❗
と、思うんだけど、
思いどおりにはいかないのが世の常。
寝るのも怖い。
怖い夢見るから。
気分転換が気分転換にならないときはどうすればいいのだろう。
う~ん。難しい問題だ。
解決しない問題を考えても時間の無駄だから横になってみるとしよう。
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