GF

朝起きがけにグレープフルーツジュースを飲んだ。

昼パスタやさんでグレープフルーツジュースを飲んだ。

ショッピングの間でグレープフルーツジュースを飲んだ。

帰宅してグレープフルーツジュースを飲んだ。

特にDoleのが好きだ。


かなり前に患者さんがグレープフルーツジュースを飲めないなら死んだほうがましだと嘆いていたのがきっかけ。そんなにも美味しいのだろうかと半信半疑で飲んでハマった。
主治医からアムロジンを開始するからグレープフルーツジュースはやめなさいと言われたらしい。

今では控えるようにと指導はするけど、飲んでも影響がでないケースも多々ある。

in vivoとin vitroは必ずしも同じとは限らない。

ゆうこは牛乳で下痢をするけど、ばばは平気だ。

厳密に研究すると禁忌だの併用注意だのと添付文書に記載され、薬剤師は神経を尖らせる。

本来ならば診察時に嗜好品チェックもかねて「柑橘類はお好きですか？」などとグレープフルーツを日常的に摂取してるかしてないか聞いてから処方すべきではないだろうか。

ま、「かわりないですねー。じゃ、お薬出しておきますねー。」と漫然とdo処方をして、患者側も言いたいことも遠慮して。

不満は薬局でぶちまける。
それはいい方だと思う。何が問題点か把握できるから。
でも大概は家で悶々とする。

おとなしい人だからストレスで病気になる→言われた通りに受診し、言われた通りに検査を受け。言われた通りに薬を飲む。

効果があれ好きなものを我慢した甲斐があるけど、果たしてその薬は合っているのか。他に選択肢はないのか。

そう思うこともある。

「おかあさん、もしも高齢者になってアムロジンが処方されたらどうするん？今のうちに別の飲み物みつけておいたら？」と娘。

「え？グレープフルーツジュース禁止されたらどうするかって？他の医者に診てもらってグレープフルーツジュース飲んでも大丈夫なものを処方してもらう。っていうか、薬をきちんとなんて飲まないだろうし。」
薬嫌いのゆうこは薬に頼ってまで長生きしたいとは思わない。
いろいろみてしまったから、何が正しくて何が間違えてるかなんて誰にもわからないって思ってしまう。

仕事の時は医師の処方には逆らえないから服薬状況を改善する方向に話をもっていかないといけない。

でも患者様や家族の言い分もなるほどなと思う部分もあるので心痛む時もある。

なぜ苦しさや吐き気を我慢してまで飲まないといけないのか。
本当にからだは慣れていくのか。

疑問やもやもやは心に秘めて…。

「かかりつけ」か。

本来ならばこの辺のことを受け止めて相談に応じ、主治医との話し合いがスムーズに進むように橋渡しをすべきなのではないだろうか。

服薬コンプライアンスをあげるために在宅をするのではなくて、最善策の模索のためにチームを組んでるのではないだろうか。

治療の域を越えてしまったらいかに苦痛を取り去り、患者本人はもちろん家族や周りの方の心のケアも重要なテーマだと思うんだ。だから介護従事者との連携が必要なわけで。

ゆうこは面倒でわがままな患者になるだろう。
でも患者や家族に選択権があってもいいと思う。
年老いての抗がん剤投与には疑問を感ずる。
それが原因で父は死んだ…。

死ぬのならマグロの刺身たべちゃえばよかったのに。

家族も同じように刺身は我慢した。

alugaさんの「あいまいな喪失」を読んで涙が流れた。
(↑ブクマークの「緩和ケア医の日々の所感」というブログの記事です。)
父の時は「悪性リンパ腫」。
母は「動脈硬化性認知症」。
変わり果ててゆく姿になすすべもなく、かといって、普通に接しないといけなくて。

心の中で様々なものが渦巻いている。ずっとずっと。

偶然見つけたお気に入りのジュース。

取り上げられるくらいなら死んだほうがましだ。

チョコもチーズもアレルギーで痒くなる。お酒は身体によくないから控えるべきだ。

大好きな唐揚げもポテトチップスも封印し、マクドもごくたまに。

え？グレープフルーツジュースも果糖が糖尿病を招くだあ？

うわーっ、最低最悪っ。

「っていうか、一番よくないのはストレスじゃね？俺なんて何食っても体重落ちていくぜ。フハハハハ。」息子179㎝でただいま63kg。
就活で激太りして、今は激やせ。

たくさんの人間が闇に葬られ、病気になったら入院すらできず、ジェネリックを押し付けられる。

医療費削減といいながら高額な特殊な薬がどんどん処方される。

なんなんやか。

いろいろなことが理解できないけど、長いものには巻かれて、打たれないよう杭は出ないようにしないとね。

オレンジジュースも好きだけど、一番好きなのはクリームソーダとレモンスカッシュです。