mimi日和

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誕生日ケーキのロウソク

2021-05-16 14:23:28 | 

電気を失った夜
一切の電化製品の音が止まった
ただ電池で駆動している
壁掛け時計だけは別だった
一切の闇に
少なからず感じている不安を
助長するように
いつもは聞こえやしない
規則正しく時を刻む音が
耳障りに聞こえた

食器棚の隅に追いやられていた
余った誕生日ケーキの
細長いロウソクに火を灯すと
夏の虫のように
おのおのの場所にいた
家族が集まり
一塊になった

煎餅を噛み砕きながら
頭を掻く音
耳をほじる音
服をさする音までもが
和んだ

詩人mimi R3.5

 

 



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