mimi日和

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少年と沢蟹

2020-10-21 23:05:24 | 

こんにちは。

詩人 MIMI  です。

 

 

 

少年と沢蟹

泡吹く沢蟹を
夢中で観察している少年は
泡が増えるほど
表情は柔和になる
跳ねる心が体を揺り動かし
足元に落ちている小枝で
ちょっかいを出すしまつである

泡が消え始めると
苦虫をつぶしたような表情になり

小枝を投げ捨てた

川の流れの上に落ちたそれを
耳の穴をほじくりながら
目で追っている

ハサミを高く振り上げる沢蟹は
空を切り刻みながら
少年を威嚇している
その挑発に応えるように
少年は立ち上がり
沢蟹をつま先で蹴飛ばした



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