AIと言葉

2019-10-11 09:43:12 | 言語

先日NZSTI(ニュージーランド翻訳者・通訳者協会)のミーティングに参加をしてきました


ミーティングでは議題を設けて意見交換、情報交換をしたり、講師を招いてレクチャーをして貰ったりと、

毎回内容も盛りだくさんで有意義な時間を過ごさせて頂いております。







最近良く話題にあがるのは機械翻訳との付き合いかたで、今回のレクチャーのタイトルも


" Go digital, stay human!"でした。

デジタル化しつつ人間性を維持していきましょうといった感じですね。


AIと機械学習の時代の専門家の持続可能性を考るという内容でした。



しかし、そのうち日本の短歌や俳句も、AIが上手く翻訳してくれる日がくるのでしょうか??


論理的な文章の翻訳は得意でも、曖昧な表現の翻訳は苦手なAI。


特に日本語は、唯一右脳を使って話す言葉だと何かの本で読んだことがありますが


言葉通りに訳しても意味が分からないことがとても多い



以前にも話題にしましたが、ジブリの「紅の豚」の名セリフ


「飛ばねえ豚はただの豚だ」



例えばこれをGoogle翻訳を使って翻訳するなら、まず「飛ばねえ豚」の部分を「飛ばない豚」に整えてあげる必要があります。


そして機械翻訳にかけて出てきたのはこちら↓



"Pigs that don't fly are just pigs"





一方、英語の字幕ではこのセリフは


"Sorry, Baby. Gotta fly" と訳されています。





翻訳は原文の意味を違う言語で再構築する作業なので、まず原文の意味を読み取らなければならないのですが


ここでは、俺が飛ぶのをやめたら、寝て、起きて、食べて、子作りするだけのただの動物の豚だ=>要するに俺は飛ぶ


と言っているのであって、わざわざ遠回しな言い方をしているちょっと申し訳なさそうなニュアンスも含めて


"Sorry, Baby. Gotta fly" (悪いなベイビー。飛ばなきゃなんねぇんだ)っといった表現になっているのでしょう。





「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。」(ヨハネ1:1)


言葉は頭だけで理解できない領域のもののようだし、AIはどうするんでしょうね



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