10月30日、日曜日。
元気な方々は早朝からマラソンに出かけて、健康マラソンを真面目に走った方はゴールしていたかもしれない午前9時半。
やっと起きてきた我々は、ひとりは棒を担いで練習場に行き、残されたひとりは窓から青空市場を眺めて買う物あったっけ?と思案する。
そう言えば、昨夜ダンナが南昌路にあった人気葱洋餅屋が復活した記事の話をしていたな。
≪阿大 葱油餅≫は以前110分ほど並んで買った上海の人気店で、これがBBCで報道された後、集合住宅の1階住居での営業が危ないと危険視され、市から営業停止勧告を食らって9月27日に閉店に至ったお店。
あれだけ人気があったんだから、どっかでまた店をだすとは思っていたが、10月28日に再スタートしているよう。
確か、永嘉路(x瑞金二路)って言ってたなぁ。
場所はなんとなく見当がつくな。
顔洗って、歯を磨いて、服を着替えたら急いで家を出る。
今日はマラソンで復興公園周辺に人がいっぱいでるだろうから、危険だけど行ってみますか
地下鉄9号線で打浦橋に向かい、そっから歩いて永嘉路まで行くと、あったあった行列が(笑)
並んでみたけど、私の前にいったい何人並んでいるのだろう?
ここに店舗が移る前から3時間待ちは当たり前な葱油餅屋。しかも生地が無くなり次第閉店なお店。
1日平均300枚を売り、15時前には売り切ってしまうのよね。
さて、今日は買うことができるのか?!
並んでいるのも結構人間模様が見えて面白い。
まず、行列の周辺店舗の店員が「順番がこの辺だと買えないかもよ~」とか、「他の店のと味変わらないよ」とか言って並んでいる人々の意欲を削ぐ。
加えて、近隣に住むオバサンが通りがけに「復興路の〇〇って店の方が美味しい」「3時間待っても買えない」「一番前の人は5時半から並んでるのにまだ買えてない」とご親切に教えてくれる。
こういうやり取りを見聞きしている内に、私の前後に並んでいた人は次々と脱落していく。
並んだ時に最前列にいた人がまだ買えていないのに、私の位置は2m近く前進している(笑)
1時間もすると、なんとなく並んだ人々はだいたい脱落して、絶対買うと決めてきた人々しか残っていない。
この時点で私の前方に40人くらいいたかな。
前方には並んでいるわけではなくて、作っているところを一目みたい人で溢れているので、見た目は倍以上いる感じ(^^;
例えば、下の写真で実際に並んでいる人は4~5人で、あとは野次馬(笑)
長時間並んでいると人間模様が見えてくる。
パターン1)若さは武器
若い女の子は自分より前にいる若人と仲良くなり、自分が買えそうもなかった場合1枚でもいいから一緒に買ってほしいと約束をこぎつける。
パターン2)金ならだす
何時間も並んでいると、ホントに必要な枚数より多めに買ってしまうのが心理ってやつで。。
これに目をつけた列の周りにいる人、または後方に並んでいる人が、買い終わった人を呼び止めて4倍以上の値段で分けてもらう。
これは確信犯もいて、小遣い稼ぎで10枚買って、半分は売りさばいている人も見受けられた。
相場は1枚20元(本来5元なので4倍)。見ていた中には1枚100元で買ってった人もいた(;'∀')
パターン3)なんとなく列に入ってしまおう
これは成功率がかなり低い。
なぜなら、自分が何番目かは買えないかもしれない瀬戸際になるので、並んでいる人は自分の前方の人を常にチェックしているため。
現に、あと数人で私の買う順番となったところで、横にいた人がグイグイ押して前に入ろうとした。
それを後ろのオジサンがコイツは並んでたのか?と私に確認してきたので、「私の前には2人いて、この人は並んでいない。」
と答える塩梅で、前後で状況確認が行われている(笑)
なぜ、こんなに並ばないと買えないかというと、阿大葱油餅では昔屋台で作っていたさながらの製法で作っているためである。
まず、鉄板には1度に20個しか焼くスペースがない。それを1本のガス火のみで場所を移し、表裏を返しながら10分ほどじっくりと焼き上げるので時間が掛かる。
重ねて、鉄板で焼きあがった葱油餅を鉄板の下の七輪状の炉で直火に両面当てるので更に時間がかかる。しかも炉には1度に10枚しか並べられない。
故に、時間差で10枚づつしか焼きあがらないのに、ひとりで10~20枚買っていく人がいる。
また、どうにかすると予約もできるらしいので、途中で予約番号を持っている人が取りに来るとその分、待っていなければならない。
(1日300枚しか焼けないのだから、予約できる人は本当に限られていると思われる)
なんだかんだで3時間並んだ14時頃、私の前にはあと10人いた。
笑えることに私の3人前の人は、朝8時30分から並んでいるのだと。私が10時半過ぎに並び始めたので、その間本気で並んだ人は3人しかいなかったことになる。
15時が迫ってくると、列に残るものはそわそわしてくる。そして数えだす。
「あと生地が80個分しかないって。あなた何枚かうの? 10+10+10+10…+4+3+2、多分買える」ってな具合。
私も前の人が10個ずつ買ったら買えない位置だったので、内心ドキドキしてたら、突然「今からひとり2個まで」のコールが掛かった。
ここでブーイングの嵐だったのは、小遣い稼ぎで買いに来ていたオジサン達(パターン2の仲介側)。
「なんで前のヤツは10個買えたのにオレから2個なんだ」ってな内容であろう上海語でまくしたて、5個勝ち取って行った。
そして顔を青ざめた私の前のパターン1の女の子2人。前の若人に買ってもらおうと思っていたのに、若人は自分も2個しか買えなくなっちゃった
まぁ、私も含めて買えたんだけどね。
結局4時間並んじゃったよ
まだ、こんなに並んでるけど、あと30個くらいしか生地残っていないはずだよなぁ。。。
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買える見通しがついたところで、ダンナを打浦橋の日月光に待機させて購入後に合流。
前回食べた時の感想は「並んでまで食べる味か?」っだったが、それが何かの間違いであったかどうかの再確認です。
感想は、
「やっぱりそんなに並んでまで買う味ではない」です。
翌日、残りの1枚を食べた感想は、「1日置いて油を袋に吸わせた上で再度両面をフライパンでカリッと焼いて食べると美味しいかも」
でした。
やはり≪阿大≫の葱油餅は私の口に合ってないようで。。。
あの丁寧にじっくり焼いた、脂たっぷりの大きく厚い葱油餅が昔懐かしの味で、上海っ子にしかわからない記憶の味なのだと思いたい
因みにダンナの感想も私に同じでした
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朝から葱油餅を2人で1枚では、お腹が満たされない。
なんだかとってもお得になっている豚カツに魅かれて、日月光の下の≪松乃屋≫で昼ご飯。
松屋の豚カツ屋らしいけど、これで29元(465円くらいかな)って安
余談ですが、この後に中秋節の時に物凄く並んだ月餅屋≪瞞著爹≫に行ったのですが、今では全く並ばず買えます。
ここの搾菜肉月餅と鮮肉月餅、結構好きです☆
今日は、ザリガニ月餅とか他の月餅も全部揃ってましたよ~。って誰も興味ないよね(^^;
そっから古北に向かって、マッサージに行ったダンナを待つ間に座ってたカルフールの入るビル1階フードコート(大食代)で、餌を探す子猫をみちゃったよ。
そのうちどっかに行っちゃったけど、ちょっとビックリしたな
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●阿大葱油餅 瑞金二路120号-4(永嘉路口)滄浪亭正面の一画
営業時間:10:00~売り切れまで
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