日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

陽のクラスと陰のクラス

2012年10月18日 16時24分45秒 | 日本語教育

 2012年後期は大学の日本語公開講座で2クラスを担当している。

 この2クラスは全く対照的である。

 週日のクラスは8名なのだが、その中の4名がこれまた超おしゃべりなのである。

 彼らは授業中とにかく話す。1分も黙っていられない。

 2人は授業に全く関係ない話で盛り上がり、もう2人は日本語や日本文化に関係があるものの、授業で扱っている項目とは全く関係ないもので盛り上がり、どんどん話を脱線させていく。

 ここブラジル南部の日本語学習者は、日本文化・日本語に対する純粋な興味から勉強している人たちで、決して安くない授業料を払って来ているから、概して学習意欲は高い。

 でも、その目的は仕事とかではなく、興味が似た同世代の友達と楽しみながら学びたいという学習姿勢である。だから、授業中に話しまくる。また、僕にいろいろな質問も投げかけてくる。

 日系人というだけで日本語の勉強を強制されているサンパウロの日系子弟、授業に消極的な日本の大学生と比べると、授業はある意味活気があって楽しい。

 でも、授業は単純に楽しいだけでは駄目で、やはり何かを学んだと生徒が実感しないといけないと僕は考えている。交流の場の提供というだけではあまり継続しない。

 一方、週末のクラスは6、7名なのだが、生徒がみんな借りてきた猫のように大人しい。また、休みがちの生徒が多いことで、授業の進行が難しい。

 彼らは質問もせずに黙々とやるので、教えるべき項目をほぼ予定通り教えていける。ただし、授業に活気がなく、質問もあまりないため、空気が重い。

 笑い話を混ぜて場を和ましたりもするが、あまり効果がない。

 生徒の顔ぶれでこれだけクラスが違ってしまうのかというのが正直な感想である。もう14年もこんな事をしているから、今までにも似たような事はあったのだが。

 オーストラリアで日本語を教えている方のブログを読んだ。あちらでは公立校で日本語が正式に教えられていることもあり、生徒の学習意欲は概して低く、生徒指導に余計な体力を消費している様子が報告されていた。

 ブラジルを選んでいなかったら、オーストラリアで日本語教師をしてみたいと思っていたが、やはり日本語教育熱が「高い」オーストラリアでも当地の事情があるんだなあと改めて実感した。

 また、台湾で日本語を教えている方のブログでも、出張先の学校での日本語の授業の際の学習者たちの扱い方に関する苦労が報告されていたが、僕は台湾も日本語学習熱が高い国との認識があったので意外であった。

 ブラジルに来る前に、台湾で日本語教師をする話を蹴った経緯がある僕としては思うところがある。果たして、あのまま台湾で日本語教師としてデビューしていたら、今頃どうなっていたかと。

 まあ、どの国をホームフィールドにして日本語教師の仕事をするかというのは非常に重要な選択肢だと思う。しかし、どこに行っても良い所・悪い所があり、一概にどこがいいとは言えないだろう。

 要はその人が一番合う場所がいいんだと思うけど、僕自身はブラジルで良かったかなと思う。

 でも、いつか他の国、そして日本でも日本語を教えてみたいなと思っている。他の国の事情も体験してみたいから。

 ランキングに参加しています。

 応援のクリックお願いします。

  にほんブログ村 海外生活ブログ ブラジル情報へ

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿