日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

少林寺拳法講習会に参加

2007年06月12日 10時57分25秒 | ブラジル事情
 金・土・日と3日間の少林寺拳法の講習会に参加した。この講習会には日本から先生が3人いらして直接指導していただけるというもの。

 ブラジルでの少林寺拳法の道場は、ほとんど僕が住んでいるリオグランデドスル州のポルトアレグレ市に集中しており、後はサンパウロ州とパラナ州にいくつかあるだけである。だから、ブラジル講習会と称して行われる催しは必然的にここポルトアレグレ市で行われることになる。今回の講習会には150人強の拳士達が集まった。そのうち日系ブラジル人は数人で、ほとんどがブラジル人であった。

 僕はこの講習会の間、見習い拳士として講習を受けつつ、日本語からポルトガル語へと訳す通訳としても働いた。ブラジル生活9年余り、ボランティアではあったけれども初めての公式な通訳の仕事である。それにしても70人強の拳士達を前に、マイクなしで大声でポルトガル語に訳すのは大変だった。まず、少林寺拳法で使用される語彙の問題があった。また、先生が技の説明を詳しくしていても、僕自身がその技のコツを理解していないので、翻訳がどうしても明解ではなくなってしまう。ただ、ある程度少人数のグループに対して通訳する場合、相手が納得するまで別の言葉で言い直したりするなどすればいいし、大声を張り上げる必要もないので別に問題はなかった。

 多人数を前にするとどうしても緊張する。少人数だと緊張もしないので、楽に出来る。こういった問題は慣れの問題だと思う。慣れれば人数は問題ではない。一番大事なのは通訳の際の訳の正確さとスピードの問題だと思う。そして、これに関しても、わざわざ難しい構文を使わずに、単純にそのメッセージを分かりやすく言い直すのであれば、問題となるのはその語彙の正確さとスピードの問題で、これも数をこなしていけば何とかなる問題だと言える。結局のところ、仕事は何でも慣れの問題ということだろうか。ある程度の語学能力さえ持っていれば、あとは堂々とはっきりと通訳すればそれでいいのだと思う。

 講習会に関しては、聞いていた所によると、白帯の人は授業についていけないみたいなことを聞いていたので、実際に参加して役に立つのか不安だったが、黒帯と他の色の帯のグループ2つに分けて授業を行ったので、何とかついていけた。また、他の道場の人とも組んで稽古ができたので、楽しかった。全体に対する技の説明の時、僕は通訳として先生についていたため、関節技の説明で僕がたたき台として何度も使われてしまった。そのため、痛い関節技を何度もかけられ、通訳どころではなかった場面も何度もあった。

 僕が通っている大学の公開講座の少林寺拳法の道場には、今学期多くの見習い拳士が入門した。普通は1学期に2名程度しか入らないらしいのだが、今学期は10名以上の見習いが入門した。今回の講習会にも僕を含めて5人参加した。自分と同レベルの人がいると、同期に負けないようにと頑張ろうという気にもなり、いい意味でのライバル意識が出てきていい。

 僕自身はあまり上達していない。技を覚えるのも遅いし、下手である。でも、やっていて楽しいし、少しでもできるようになると嬉しい。まだ始めて1ヵ月半だが、ずっと続けて少しでも上手になっていけたらと思っている。日本から来られた先生にも「30代で始めても、50代には4段くらいになっている人が随分いますよ」と励まされた。と言うことは20年続けろということ。そこまで考えると気が遠くなるけど、まあ一歩一歩前進していくしかない。

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