日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

日本の小学校でのブラジルの授業

2011年02月05日 16時52分41秒 | ブラジル事情

  日本帰国時、小学時代からの友人N氏が勤める茨城県内の公立小学校で5年生のクラスの生徒29名にブラジルについての授業を行った。

  学校外部から一般の方を呼んで、「心の先生」としてお話をしてもらうという制度が今の日本の学校にはあるようで、僕はその制度を利用して、保護者が授業見学できる学校公開日にやらせてもらった。

  実はその前日に筑波大学でブラジルに関して講演を行っていたのだが、学生たちのあまりの無反応ぶりさがトラウマとなっていて、小学校での授業が盛り上がるかかなり不安であった。

  しかし、予想に反して、子供達は本当に元気よく答えてくれ、授業は活気あるものとなった。

  南米の地図を見せて、それぞれの国がどこだとか、ブラジルの基本情報について質問して行ったが、1人優秀な生徒がいて、こちらの質問に全部正解していく。

  「す、すごい。」

僕はたじろいだ。恐らく中学受験をする子供だと予想がつくが、それでもすごい。

前日の筑波大生たちが答えられなかったのとは大違いである。

しかも、優秀な彼以外の生徒も間違っていようがお構いなく、元気に発言してくる。

「そう、僕はこの反応が欲しかったんだ」と内心喜んだ。

授業は教師と生徒の双方向のコミュニケーションじゃないといけない。教師からの一方的な授業はまったく面白くない。生徒が全員参加する姿勢を示さないと。

  そして、小学生達は6時間目で疲れているにも関わらず、みんな目をぱっちり開けて、授業を聞いてくれていた。3分の1が寝ていた大学生とは大違いである。

まあ、普段とは違う外部からの人間に対して、好奇心から授業に集中していたことはあるかもしれない。それを差し引いても、彼らの授業に対する熱心さに感心した。

友人N氏の日頃の指導の賜物なのだろうか。

授業が終わってから、僕はブラジルから持ってきたお菓子をみんなに配った。生徒は僕の「お菓子」と言う言葉に狂喜乱舞し、みんなが我先にとN氏の前に整列した。

持って行ったお菓子はブラジルのメレンゲ菓子(Suspiro)。子供達は本当に高価な物をもらったかのように、ありがたく食べていて、僕はそれを見て本当に心がほんわかした。

日本もまだ捨てたもんじゃあない。

最後に、授業見学に来ていたお母さんに頼み、僕と友人N氏を真ん中に生徒29名と記念写真を撮った。

その写真に写っている顔はみなキラキラと輝いていた。恐らく僕の人生を代表する思い出の写真の1枚になる気がする。

Nさん、こんな貴重な経験をさせていただき、本当にどうもありがとうございました。そして、5年生のみなさん、今の姿勢を忘れずに、立派な大人になってください!


 


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