日本語教師ブラジル奮闘記

ブラジル生活裏話

ブラジル高級住宅街隣接の公園で思うこと

2009年08月17日 10時30分52秒 | ブラジル事情
 ブラジルの他の大都市の状況はどうか良く分からないが、町の発展は以下の経緯を辿るのが一般的である。

1.大手企業が町の中心地区から少し離れた荒地を購入し、大きなショッピングセンターを建設。
2.大手建築会社が同地の周辺に一大住宅街を建設。
3.それらの住宅街・ショッピングの誘致に伴い、さらにその周辺に住宅街や商業施設が建設。

 ポルトアレグレで有名なショッピングセンターの1つにイグアテミがある。このショッピングセンターがまさにこの経緯を辿った例なのである。

 そして、このショッピングセンターの周囲に、ポルトアレグレ最大手の建設会社が高級住宅街を建設し始めた。日本円に換算しても、1LDKで最低2000万円はする。もちろん、ブラジル人の平均給与が日本人とはかなり差があることを考慮すれば、日本人感覚では5000万から1億のマンションだという感じであろう。

 ここに雨後の竹の子のように高級マンションが建設されているのだが、その前を通っても人が住んでいる様子がない。せっかく、いいマンションを作っても、人が住まなきゃ意味がない。と言うか、140万人のポルトアレグレ市において、こんなに高いマンションを購入できる人がそれほどいるのか本当に疑問である。

 一体、いくら稼がなきゃならないんだろう。どんな仕事をしていれば、それだけのお金が稼げるのだろうという疑問が頭をかすめる。

 高級マンションの近くには必ず大きな公園を用意するのが鉄則である。そこが市民の憩いの場となるからである。ポルトアレグレのここ以外の高級住宅地と言われているところには、必ず近くに大きな公園が常設されている。それらを見ると、その公園もそういう趣旨で作られたのは想像に難くない。

 日曜日、天気が良かったので、この高級住宅街に隣接する公園に娘を連れて行った。本当に天気が良かったこともあって、意外と人はいたが、ポルトアレグレの他の有名な公園と比べれば全然少ない。その公園にいた人が、高級住宅街の住民とは限らないが、どちらにしてもまだ人があまり住んでいないことは想像できる。

 確かにそこにいた人達は裕福そうではあった。少なくとも貧しそうな人は誰一人としていない。僕のような者がそんな所にいるのは場違いであるのだが、公園には豪華な遊具もあり、娘にそれで遊んで欲しかったのもあり、高級住宅街の住人気取りで遊んでしまった。

 出来れば、この地区にアパートが買えたらなと思うが、その場合職業を買える必要がありそうだ。いや、根本的に人生をやり直す必要があるかもしれない。でも、そこにいる裕福そうな人を見ていると、この人達に自分が負けているとは全く思えない。僕の仕事がこの人達の仕事に劣っているとは全く思えない。いつか絶対にこの人達を追い越してやる。

 高級住宅、高級車とか物質的に値段の高い物を得たからと言って、人生の勝ち組だとは思わない。でも、それを得られないことで人から下に見られるのは嫌だ。また、それを得られない自分を慰めて、自己弁護するのも嫌だ。

 とにかく前を向いて、少しでも自分を高められるよう頑張っていきたい。

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