ホテルのフロントで仕込んだ情報によると、釧路で、晩ご飯を兼ねていっぱいやるとなると「栄町」。
ホテルからも歩ける距離であり、飲食店の集まる繁華街である。
取り敢えずのビールは別として、釧路での一杯は「くしろ夕日ハイボール」は外せない。
専用のジョッキには、沈む夕日に染まる空と、夕日に浮かぶ幣舞橋のブロンズ像がデザインされている。
飛ぶ三羽の鳥(カモメ?)も、「く・し・ろ」と読める凝ったデザインである。
ウィスキー、ソーダに、グレナデン・シロップが加えられているそうだ。
ジョッキを手にすると、その赤は、幣舞橋の上から見た「釧路の夕日」そのもののようだ。
飲み進めると徐々にシロップの甘さがつよくなっていく。
これなら、お酒の強くない人でも甘いカクテル感覚で飲めそうである。
その晩、「ここにしよう」と決めたお店が「さかまる」さんである。
釧路は炉端焼き発祥の地とされ、炉端焼きはもちろんであるが、その他にも新鮮な魚、寿しなどもおいしい大きなお店であった。
飲食店がひしめく界隈で、良いお店に当たったと思った。
刺身の盛り合わせを頼むと、マグロ(トロ)、カレイ、しめ鯖、えんがわの4点が盛られていた。
その他、好きなポテトサラダ、ナスの煮びたしなどをつまみに日本酒を楽しむ。
ポテトサラダにはいぶりガッコが混ざっていて、コリコリとした食感がいい。
おでんはいつも食べるのと変わりはないが、違いは「魚粉」をかけてどうぞといわれたことである。
おでんには「からし」のワン・パターンだったが、新しい味にチャレンジした。
豊かな魚介類に恵まれた釧路ならではの食べ方に、納得。
さて、お目当てのひとつ「厚岸のカキ」は、生でもよいが焼いてもらうことにした。
まずは2個注文したのだが、なぜか3個来たので訊いてみると・・・
「今年は海水の温度が高くてカキの身が太らない」、そのため「ひとつはサービスです」ということであった。
カキは、なるほど、予想より小振りであったが、良心的な対応にうれしくなる。
どの程度焼くかはわがままが言え、一個は少し強めに火を通してもらった。
日本酒は釧路の地酒「福司」の純米酒を冷で・・・。
やはり旅先では、その地の産物に地酒が一番である。
郷に入ったら郷に従え。
地元のおいしい食事とお酒で過ごす夜は、旅の一番の楽しみである。