今回の静岡県への旅行では静岡市内に一泊した。
例によって、ホテルのフロントで食事処情報を入手すると、スタッフから「あおいヤ」さんを教えてもらった。
昭和の時代を思わせるレトロな造りの居酒屋さんで、メニューは豊富だった。
私は、旅先では高級店ではなく、むしろ、このようなご当地の味を提供してくれるお店がうれしい。
まずは、何はともあれ「しずおかおでん」は欠かせない。
メニューには「しぞーかおでん」とあるので、「しぞーかおでんの盛り合わせ」を注文する。
卵、大根、牛筋、こんにゃく、竹輪、はんぺんの六種が一皿に盛られてきた。
このおでんの特徴を挙げれば・・・
●おでんダネは串に刺さっている ●黒はんぺんが入っている ●だし粉がかかっている・・・こんなところであろうか。
特に、普段食べているおでんには「黒はんぺん」を見ることはなく、「はんぺん」といえば白くてふわっとした柔らかいものである。
つゆが黒いので、醤油の「「しょっぱい」味が強いのかと思ったが、何本でもいける味であった。
それと、黒はんぺんの柔らかさも意外に感じた。
それぞれダシが良く滲みていておいしかったが、魚粉と青のりの「だし粉」が一味変えてくれる。
静岡らしいものをもう一品、それは「はんぺんフライ」を注文。
黒はんぺんをフライにしたもので、この料理も静岡ならではの調理方法だと言えよう。
ころもに包まれ、黒い(グレー)はんぺんが見える。
ソースをかけても良いが、そのままでもOKである。
魚の生臭さがなくなかなかイケる味で、ビールにもよくあった。
他にも刺し身などもいただいたが、太平洋に接する静岡県だけに魚はうまい。
通路を挟んで両側に小部屋が並ぶお店は徐々に席が埋まり、満席状態になった。
お隣のテーブルでは、地元のサラリーマンらしい6人のグループが、おでんを前に威勢よくビールを空けていた。
もう一か所、ホテルでは、「青葉おでん街」の場所を教えてくれた。
後学のために見ておこうと立ち寄ったが、横丁におでん屋さんが軒を連ねる様子は想像以上であった。
ここは次回のお楽しみとしておくことにした。
駿府城や久能山東照宮など歴史をたどるのに加え、静岡の夜の街も楽しかった。
東京から新幹線に乗ればアッという間に着く距離である。
「しぞーかおでん」の味を思いだし、また行きたくなることであろう。