厭な物語
2013-03-19 | 読む
本のカバーがすばらしい!
すべすべした桃みたいなキューピーちゃんなのに、瞳孔の開いたブルーの目が怖い。
「あんたって やっぱり 〇〇だよねー。」 (〇〇には各自テキトーに入れて読んでね~♪)
グサッと心臓をえぐる一言がでそうな薄く開いた唇。
よく見るとこのキューピーちゃん・・上から目線やし(笑)
本の中身と少しズレてるんじゃないのかと思うようなカバーが時々あるが
この本はピタリ!はまってる。
レイアウトもセンスいいなあ。
古今東西、ああ、アジアが入ってないのが残念だが、後味の悪いいやーな短編が11本
載っている。
ほうり投げたくなったり吐くほどイヤではないが、少しイヤも積み重なるとなかなかしんどい。
一番イヤ話を選べといわれると、やっぱり、シャーリージャクソン作 「くじ」
宝くじとちゃいますよ~おみくじともちゃいますよ~♪
広場に集まった子どもたちが石ころをポケットに入れたり山を作ったりしてる所で
イヤな予感がしてたのだが・・・ブルッ、ラストが怖い。
解説によれば、1948年に雑誌に発表された当初は読者から激しい非難があったらしい。
しかし現在では古典的名作と評価されてるんですと。
時代が変われば評価も変わるというのはどんな分野でも一緒です。
見開きのはじめ 1936年、夢野久作の言葉・・・
中世以前は至る処戦争ばかりで恐怖と戦慄の時代であった。
だからその時代の芸術作品には平和と幸福の賛美に類するものが多かった。
之に反して現代は幸福と安定の時代である。
だからその芸術作品に恐怖と戦慄が求められるのは当然である
約80年後の現在、平和も幸福も恐怖も戦慄もごちゃまぜ状態、
もし彼が生きていたならば、どんなことを言うだろう。。
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