ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
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灯油販売戦略は「先手必勝」の囲い込みビジネス

2012年06月05日 03時25分38秒 | Weblog

販社企業や有力特約店を基軸として、各元売りによる灯油販売戦略に大きな動きが見えています。
一般的には店頭ガソリン販売が中心と思われてきた外資系元売りや有力特約店ほうが灯油に力を入れているように感じます。

灯油システムに対する認識について
これまで、灯油システムに関する認識は「配送ツール」としての位置づけが多かったようですが、
先進企業はデータベースマーケティングを中心とする運用が中心となっており、システム導入のコンセプトにも格差と変化が出ています。

灯油ビジネスは典型的な「先手必勝」の囲い込みビジネスです。
今の時期(6月~7月)にデータ整備とシステム構築を進めて、8月の旧盆以降から稼働を開始するというスケジュールが勝ち組のパターンです。
季節商品ですから、今季遅れると来年となり販売効果が出るのはさらにその先の年になってしまいます。
即断。即行動の「意思決定速度」が求められるビジネスです。

SS業者にとっては、業態の異なる異業種参入ではなくて、
既存ユーザーの囲い込みですし、仕入れ先も既存ルートで行けるわけですからリスクも非常に少ないといえます。
さらに、仕入れと販売価格、そして問題の「配送料の転嫁」も順調ですから利益概要も自ら予測できるという点からもリスクはありません。

灯油ビジネスのポイントは、
掛け客だけのマスタリストではなくて、「現金客マスタリスト」までの顧客管理データ構築が前提です。
いつまでも配送スタッフの「感ピューター」に頼っているようでは売り負けてしまいます。

季節的な灯油巡回販売などの業態では、「焼き芋屋」のようでいつまでたってもお客様との『リレーションシップ』が構築できません。
これだけ、大手企業による地域囲い込み戦略が進んでくると、季節感を克服する「外販部門」の商品アイテム開発も進んできました。

顧客管理データを自動車ディラーと同様のドアツードアの「車検販売」などに活用するケースも多くなっており、
エコカー普及による顧客来店頻度の低下をカバーしながらの、新たなカービジネスモデルの開発が進んでます。

最近では、優良顧客に対する「お預かり洗車」なども増えているようです。
「待ちのSSビジネス」の時代からアクティブな外販戦略へと変化しているガソリンスタンドビジネスです。
確かに、手持無沙汰なスタッフがフィールドで来店客を待つ時代は終焉したのかもしれません。

灯油配送ビジネスを起点とする、ガソリンスタンドビジネスの業態変化は確実に進んでいます。