前回で脳内ホルモンの基本的なところは押さえたので、今回はアドバンスとして積極的にこれをコントロールする術について論じます。
まずは「酒」についてで、これはドーパミンの受容体と放出を増やします。
ドーパミンは「やる気」をアップさせる「幸福ホルモン」とされますが、これが過剰だと「躁」、欠乏すると「鬱」になります。
ドーパミンは「不安ホルモン」であるアドレナリンとバランスを取っており、この「不幸ホルモン」が男性は生理的に多いので、それを打ち消す為に酒に走ってアルコール依存症になる率が女性よりも高いとされます。
しかしアルコールによる一時的なドーパミンの増加は、その後に揺り戻しが来てアドレナリン過剰となるので、かえって鬱や自殺のリスクを高めてしまいます。
アルコールにはドーパミン受容体が増えるコトによる強い依存性もあり、余りにドーパミンが増え過ぎるとバランスを取る役目のセロトニンが上手く機能しなくなり、脳のコントロール(理性)が破綻してしまいます。
こうした破綻を防ぐのに、わたしの経験上で最も有効なモノとして「茶」が挙げられ、これは Tea もしくは T と隠語で呼ばれるハーブを指します。
T は味覚を鋭敏にするコトがよく知られていますが、それは単に舌が鋭敏になるだけでなく、脳や体全体の神経が鋭敏になるコトに依ります。
これはアルコールに対する体全体の感覚も鋭敏にし、僅かな量で充分に酔いを感じられて、それが如何にヘビーなモノであるかを体感できます。
つまり「茶」には「酒」の有害性を際立たせる効果があり、バカみたいにガブガブ飲むコトは出来なくなります。
更に Tea にはオキシトシンを増やす効果もあり、これは「幸福ホルモン」のリーダーでセロトニンやドーパミンも一緒に高めてくれ、バランスの取れた善いハイが味わえます。
こうしたマイルドな Tea のハイは軽い Beer の酔いに喩えられるコトもあり、「Beer Light」と言えば「茶のハイ」を意味します。
これは例えばデヴィッド-ボウイが「Star Man」で "Just beer light to guide us" と詠っており、その「光」によって子供たちを導くべきだと、我々よりも遥かに進化した「星の人」に告げられたと謳っています。
これに因んで次回は、「光」と脳内ホルモンの関係について語ろうと思います。