真の動物福祉牧場を目指して

中国農村の若者達について

前回、台湾でのWWOOFの思い出を書くと言いましたが、まだちょっと話が逸れるので今回は、社会主義シリーズの続きとして中国でのWWOOFボランティアの思い出を書きます。

これはおそらく、中国の農民と親交を深めるほぼ唯一の道かと思え、私がステイしたのは南京から100キロ位の割と豊かな農村でしたが、それでも若者達はみな広い新たな天地を求め、古い農村を脱出しようともがいておりました。

海外からのボランティアを募集している有機農場の名は第一農場といい、私がここを選んだ理由は長期VISAの取得に協力的だったからです。
それだけ地元の政府機関に顔が利く大きな有機農場で、IT長者が農村の発展の為に建てたものでした。

そこはホテルも開業しており、有機農業をのテーマパークを創ろうとしていて、地元の若者達を大勢雇っておりました。(スタッフは臨時雇いのおばちゃん達なども含めると百人程)

そうした若者達(たまにおばちゃん達とも)と一緒に働き、一緒に余暇を過ごす生活を半月ほど経験して、彼等の性格や目標などをある程度知る事ができました。
とは言っても満足に英語でコミュニケーションが取れたのは、大学出で遠くから雇われて来た青年2人だけで、こうした技術者的な若者は10人程おりましたが、積極的に英語で話そうとする中国人は何処でも稀でした。

まずこの2人から紹介しますと、1人は香港のそばの広東省出身で、中国人には珍しい垢抜けた感じの好青年ですぐに仲良くなりました。
ボランティアは自由に仕事を選べたので、私は彼が任されてた農作物パビリオン(大きなハウスで花や作物を展覧式に育てる)を主に手伝ってました。
これは庭作りみたいなモノで、4人の班でなかなか楽しくやれました。

もう1人の青年はなかなかの農業技術者で、広東の彼とは対照的なお堅い北方の出身でした。 カルチャー(有効な微生物群を培養した液体)作りにも真剣に取り組んでおり、EMをあげたらとても喜んでくれました。彼とは有機農業の可能性について語れ、南京にはEM研究機構のパートナー会社があるので、彼がそこと第一農場を繋いでくれる様に頼めました。

次に地元のアンチャンやネーチャンたち(十代後半)を紹介します。
彼等は英語はハローぐらいしか話せず、私の中国語では限られたコミュニケーションしか取れませんでしたが、それでも積極的に仲良くなろうとしてくれる若者もおりました。

その1人は料理人としてホテル部門で雇われた、例外的に年嵩のある男性(30)で、いつか日本に料理人として働きに行きたいという夢を持っておりました。
この世代は子供の頃に日本のサブカルチャーと親しんで育っており、日本に出稼ぎに行って財を成した同世代も多く知っています。
彼とは仕事の後、歩いて30分の村までよく飲みに行きました。二十歳くらいの舎弟もいつも付いて来て、酒は彼が奢ってくれ(中国は酒が非課税で安い)、日本の事を色々訊ねてくれました。

十代の若者達とは娯楽ルームでカラオケや卓球をよくやり、私はそこそこ卓球は出来る方なのですが、女の子にすら歯が立ちませんでした。
男共はさらに真剣に腕を磨いており、己のプライドを賭けた「ピンポン(名作漫画)」の世界を垣間見るようでした。

カラオケは朴樹を歌えたので参加する事ができ、日本の歌も少しは載っていて、中島みゆきとスマップ(映像付き)はけっこう受けが良かったです。
あとは私のMDコレクションも娯楽ルームに置いて自由にかけられる様にしましたが、残念ながら彼等は英語の歌には殆ど興味を示しませんでした。

まだ高校を卒業したばかりと云った感じの彼等とは、そんなに将来の目標などに付いては話を聴けませんでしたが、同級生の殆どが卒業後に街へ出ていったなか地元に残って、農家を引き継ぐ予定の若者も何人かおりました。
彼等はきっと子供の頃から農業を手伝って来たのでしょう。都会の若者には決してない、仕事人としての貫禄のようなモノすら観られました。

中国では農村の人間が都会に出て定住するのを阻害するシステムがあり、都会で暮らしたいと思う若者(特に女性)は、都会から来たお客さんと結婚するのがほぼ唯一の道であり(大学博士号という道もあるけどムリ)、女の子達は一生懸命着飾って接客しておりました。

こうした中国人民のありのままを知るのにWWOOFはとても役に立ち、彼等にも日本人のありのままを知って貰おうと、私なりに努力して来ました。
お互いを知り、そして仕事や遊びなどで友情を築けたならば、もう決して互いに殺し合う戦争などはしたくなくなります。
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