佐々木ゆうきの日記〜平和とともに歩んで〜

新湾岸道路を「建設しない」という選択肢も示すべき

 昨日の一般質問では、新湾岸道路についても取り上げました。質問と答弁を掲載します。道路を建設することによって、どこの渋滞が解消するのかや国際競争力の向上がどのようになるのかなど、明確な説明はありませんでした。「計画の早期具体化」といって推進する立場をあらためて千葉市は表明した形となりました。最後に「建設しない」という選択肢も市民に示すべきと求めました。

【佐々木ゆうき】
 「新湾岸道路について地域のみなさまへの情報発信と意見聴取を実施します」と、千葉市も「新湾岸道路プロジェクト」におけるコミュニケーション活動の運営主体に名を連ねて、オープンハウス=対話方式による説明会とアンケート調査が12月から沿線6自治体の公共施設や民間施設等で実施されることになり、12月2日の美浜区役所から開始されています。新湾岸道路についての市民への情報発信はこれまでにどのように行なってきたのか、また美浜区町内自治会連絡協議会などの団体への説明の実施状況と質問や意見の内容について伺います。

【建設局長】
 昨年度は、新湾岸道路の事業概要や期待される整備効果等をお伝えするため、市役所やショッピングセンターなど市内5か所でパネル展を開催しました。
 今年度は、改めて事業概要や整備効果等をお伝えするとともに、地域の皆様と意見交換を行うため、市内8か所においてパネル展と対話方式による説明会をオープンハウス形式で開催しています。
 この他、新湾岸道路に関する情報をお知らせする特設ホームページの開設、ニューズレターの発行及びYouTube動画の配信などにより、市民の皆様へ情報発信を行っているところです。
 また、より多くの皆様に説明会やアンケートに参加いただくため、現在行っているコミュニケーション活動の内容について、美浜区全地区及び中央区の湾岸部4地区の町内自治会連絡協議会に対し御説明したところ、事業を歓迎する声や、海辺へのアクセスが変わることへの懸念の声をいただいています。

【佐々木ゆうき】
 今年8月2日に開催された第1回新湾岸道路有識者委員会等の資料の中の「計画検討は、道路計画策定プロセスを通じて概略計画を策定します。道路計画策定プロセスは、透明性、客観性、合理性、公正性の向上を図るため、地域のみなさまとの密接なコミュニケーションを通じ、地域の理解や協力を得ながら道路計画を策定するプロセス」と示されています。
 計画検討手順として上から「計画検討の発議とプロセスの明確化」、「課題の共有と道路計画の必要性の確認」、「複数案の設定と評価項目の設定」、「複数案の比較評価(計画段階評価)」、「概略計画案を選定し、対応方針を決定」という流れになっています。「複数案の比較評価」では、ほぼ概略ルートが示される段階となります。最初の2項目は地域とのかかわりでは大きな比重を占めます。市として、住民・関係者等とのコミュニケーションプロセスをどのように図るのか、伺います。

【建設局長】
 来年2月末まで引き続きオープンハウス形式の説明会のほか、今後も、計画検討の進捗に合わせ、国、千葉県及び沿線市と連携し、様々な形でコミュニケーション活動を行っていきたいと考えています。

【佐々木ゆうき】
 また資料によれば、「コミュニケーションを重ねながら段階的に進めます」とあります。説明会を何度も重ねていくということになるのか。その際、千葉県や千葉市、国道交通省など関係機関から新湾岸道路に関する情報を示し、メリット・デメリットを含めて説明することが必要ではないか。

【建設局長】
 より多くの地元の皆様に事業への御理解を深めていただくため、本市湾岸地域における渋滞緩和や、物流の効率化が図られることによる経済の活性化等、「期待される整備効果」とあわせて、生活環境や海辺の景観などへの配慮について、進捗に応じ、丁寧に説明していくことが必要と考えています。




【佐々木ゆうき】
 有識者委員会の資料の「湾岸地域の土地利用状況」では、美浜区の部分で「住宅団地等が広がり」と記載されています。私はここに着目しています。わが会派のあぐい市議の代表質問で住環境に関する質問への答弁で、「周辺環境などに配慮された計画となるよう国に申し入れていく」にとどまっています。
 配慮を国に申し入れるのではなく、住環境等への悪影響が出ることを千葉市が「計画の早期具体化」と言って進めることは許されませんが、見解を求めます。

【建設局長】
 今年度から、概略ルートや構造の検討を行う計画段階評価に着手したところであり、検討に当たっては、沿線地域の生活環境や景観などに配慮された計画となるよう、また、本市がもつポテンシャルが十分に生かされる計画となるよう、国に要望していきます。

【佐々木ゆうき】
結局、「計画の早期具体化」として推進する立場です。必要性について代表質問の答弁で「広域的な道路ネットワークが強化され、持続的な発展に大きく寄与する」としています。この他、渋滞解消や国際競争力の向上などもあげています。新湾岸道路によってどこの渋滞がどれだけ解消するのか、国際競争力の向上による効果など市民が納得できる根拠および具体的な数値を示すべきではないですか。

【建設局長】
 幹線道路の渋滞緩和や抜け道として利用されている生活道路の交通量の減少などの効果を見込んでいるところです。
 また、今後、計画段階評価プロセスにおいて、有識者の意見を伺いながら検討を進め、具体的な効果などが示されていきますので、地域とのコミュニケーション活動により、丁寧に説明していきます。

【佐々木ゆうき】
 美浜区役所のパネル展・オープンハウスに行った市民の方が町内自治会での説明会を要望したところ、「もう少し具体的になってからやります」との回答だったと聞いています。これだけの大規模事業であり、美浜区の住民に関わる問題であるにも関わらず、もう少し具体化してからというのは誠実な態度とは言えないのではないでしょうか。
 以前、近隣の検見川・真砂スマートインター整備で約48億円のうち、接続道路など千葉市の負担は事業費の3分の1の約15億円ということから、新湾岸道路の事業費負担をお聞きしましたが、明確な答弁はありませんでした。あらためて伺いますが、建設費用は全体としてどの程度になると見込んでいるのか。考えられる事業負担割合については検討されていますか。

【建設局長】
 概算事業費などが示されていない状況であるため、本市の負担額についても算出できておりません。なお、大規模な事業となることから、ルート、構造及び整備手法の検討に当たっては、沿線地域の生活環境や景観への配慮に加え、地元負担が極力抑えられた計画となるよう、国に対し、申し入れていきます。

【佐々木ゆうき】
新湾岸道路の起点とされる高谷ジャンクションから埼玉県の三郷南インターチェンジまでの東京外環自動車道・千葉県区間は、都市計画決定から完成までに50年かかっています。この東京外環道・千葉県区間は15.5キロメートルで、インターチェンジなどの付随施設とあわせると約1.5兆円です。新湾岸道路がそうした規模にとどまることはないでしょう。どの程度の財政負担が生じるかもわからない。千葉市の将来に大きな財政負担となることが明らかです。現段階でも新湾岸道路については中止する決断を求めます。お答え下さい。

【建設局長】
 新湾岸道路は、本市を含む千葉県湾岸地域における交通容量不足を解消させる抜本的な対策であり、市内渋滞の緩和や物流の効率化による経済の活性化などが期待できること、また、災害時の支援活動に重要となる、複数ルートが確保されることで、防災力の向上が図られるなど、本市の持続的な発展に大きく寄与する極めて重要な道路であることから、引き続き、本市負担への配慮を求めつつ、計画の早期具体化に向け、国に協力していきます。

【佐々木ゆうき】
 これだけ聞いてもですね、「期待する」とか「配慮された計画になるよう」とか、「今後、具体的な効果が示される」と曖昧な答弁ばかりです。今回、一般質問でも人口減少について取り上げる質問もありました。車両台数も減っていきます。「建設しない」などの選択肢も含め、市民に示していくことを求めて質問を終わります。

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