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今日は議会力向上会議の取り組みについて堺市議会に伺いました。そもそも議会力向上会議が設置される背景には、現在の竹山市長が8年前の市長選で誕生し、それまでのいわゆる与党会派が野党会派となり、是々非々の対応が迫られ、市長との関係で議会力を向上させるために設置につながったことにあります。平成23年6月の設置以降、29回の会議を重ねています。会議の持ち方は、持ち帰って再度の議論ではなく、会派としてその場で判断し、合意ができたものから進めているとのことです。今日はすべての取り組みではなく、千葉市議会で行なっていない取り組みを何点か説明していただきました。
委員間討議については、予算決算を除く特別委員会では政策立案に向けて委員間討議はすでに実施済みで、常任委員会では委員会開催の2日前に申し出を行えることになっています。市長提出議案については申し出があれば実施、議員提出議案・請願・所管事務は委員の過半数の合意が得られた場合に行うことになっています。その場合、論点ごと委員間討議を行うことを通じて、合意ができる点がないか討議をする。一議題について30分以内で、発言時間の制限は行わない。理事者(市執行部)への質問は不可としています。実際に委員間討議の動画を見させていただき、具体的に伝わってきました。
請願・陳情者の意見陳述では、千葉市議会では一旦休憩し、休憩時間の中で請願・陳情者が意見陳述を行なっていますが、堺市議会は委員会中継も行い、議事録にも残しています。生中継されるので名をふせたい方は申し出によりできることとされています。意見陳述の時間が定まらないことが課題とのことです。
議会報告会については、議場や委員会室を使用して、これまで6回行われています。第1部では議会で審議した議案などの報告の内容に議会と議員がどう関わったのかを盛り込むことになっています。第2部では各常任委員会ごとの意見交換で議員と懇談するワールドカフェ方式を採用しています。どこでも同じ課題を抱えていますが、参加者が固定し、減っているとのことでした。
この他、パソコンやタブレット、スマホなどを議場や委員会室に会議に必要な目的に限り使用できることや議場内のスクリーンの使用基準について説明を受けました。
堺市議会の特徴は、まずは試行的にやって議論して結論を出す方式をとっていることです。
いま研究所や新聞社による議会改革度の調査で堺市議会は政令市中1位となっています。こうした調査の上位の議会の議員からお話しを伺うと、果たしてそれが市民のためになっているのか、市民には伝わっていない、上位になるための「議会改革」になっていないか、考えなければならないとの指摘もありました。それでもいくつかの点で学ぶことがありましたので、今後にいかしていきたいと思います。
写真は、議場の日本共産党堺市議団の前と堺市役所庁舎(堺区役所)です。