今日と明日、熊本県と熊本市への防災・減災対策調査特別委員会の視察です。
初日は、熊本県防災センターでの災害対応とオペレーションからの教訓として、熊本県の初代危機管理防災企画監を務められた有浦隆氏から説明を受けました。
熊本県は熊本地震と球磨川の氾濫による被害を受けています。異なる自然災害への対応に向け、風水害では地球温暖化など環境の変化を直視し、現在の被害であっても将来はさらに被害が広がることを想定しなければならないとのこと。
72時間内に人命を救助するための体制づくりや、指揮台による状況把握、消防・警察・自衛隊との活動調整会議による迅速な災害対応、日ごろからの訓練の徹底など学ぶべき内容もありました。
有浦氏は気さくな方でもありますが、災害の時の指揮はかなりのものではなかったのかなと伺うことができます。防災センターは情報を集めるだけではなく、人命をいかに助けるかという視点が大事であると感じました。
専門職ではなく、行政の総合職の中で防災リーダーを育成していくという視点も学んだことです。
避難所の考え方も、体育館や公民館の施設状況から避難所を考えるのではなく、避難所に必要な機能を考えて、施設を利用するという発想の転換が必要との指摘もうなずけました。
防災センター1階には展示・学習室があり、震災や水害の状況を学ぶことができるスペースになっており、こうした災害について学ぶ施設は必要と感じました。植木鉢の写真は防災インテリアで、普段はインテリアですが、災害時には簡易トイレとして使用できるものだそうです。
水害については熊本県として、緑の流域治水を位置づけて、①氾濫を防ぎ、減らすための対策、②被害対象を減少させるための対策、③被害の軽減、早期復旧・復興のための対策をハード・ソフト一体に多層的に進めるという国交省の基本的な考え方のもと、遊水地整備、河道掘削、護岸整備、田んぼダムなどのハード整備。防災ラジオ配布や防災マップの更新、情報伝達の多重化などのソフト対策についても取り組む内容になっています。
千葉市と地形の状況は違いますが、河川や水路に求められるハード対策、市民への情報発信といったソフト対策の考え方は一緒だと思いますので、活かしていければと思います。