シンが校内を歩けば、途端に黄色い歓声が飛ぶ。
日常茶飯事の光景に、シンはどこ吹く風で、カメラ片手に颯爽と校内を闊歩する。
撮影授業の時の変わらぬ情景に、今さらシンは反応しない。
一年生の頃は全校生徒が騒ぎ、二年生になったらクラスメイト以外が騒いだ。三年生になった今は、映像課以外が騒ぐのだから、正直なところ、反応すら返したくなかった。
また、その騒がしい中に、実はチェギョンたちもいるのだった。
課題の仕上げに陣取った校庭が見下ろせる場所に、遠くから歓声が響いた。
階下を見れば、皇太子の一団がこちらに歩いてくるところだ。
途端に、女生徒は髪型やら化粧を気にし出すした。ガンヒョンはその光景を横目に筆を走らせた。
差し向かいに座ったチェギョンに目をやれば、髪を撫でて目をパチパチさせている。
お前もか、と思ったところで、一際大きな歓声が響いた。
「殿下よ~」と、ハートマーク付きで叫んだのはスニョンだ。
一目散に窓辺に駆け寄ると、懸命に手を振っている。
チェギョンは気になるのか、ウズウズしながらキャンバスに向かっている。
「行けば?」
「え?」
チェギョンが笑顔のまま顔をあげた。その腰は、半分浮いているようなものだ。
「彼が気になるんでしょ?見に行けば?」
「なに言ってるの、ガンヒョン。皇太子なんか気にしてないよぉ!!」
「…そう?」
ガンヒョンは懸命に手を振るスニョンたちに視線を向けると、またチェギョンに目を向けた。
「やせ我慢は体に毒だと思うよ」
その時、一際大きな声が女生徒から起こった。
どうやら、シンがこちらを向いたらしい。
スニョンやヒスンをはじめ、女生徒が叫んでその名を呼んでいる。
「え?なんか言った?」
チェギョンがきょとんとした顔でこちらを見た。
「…何でもない」
ガンヒョンはその顔を見た途端、なぜか何も言えなくなってしまった。
日常茶飯事の光景に、シンはどこ吹く風で、カメラ片手に颯爽と校内を闊歩する。
撮影授業の時の変わらぬ情景に、今さらシンは反応しない。
一年生の頃は全校生徒が騒ぎ、二年生になったらクラスメイト以外が騒いだ。三年生になった今は、映像課以外が騒ぐのだから、正直なところ、反応すら返したくなかった。
また、その騒がしい中に、実はチェギョンたちもいるのだった。
課題の仕上げに陣取った校庭が見下ろせる場所に、遠くから歓声が響いた。
階下を見れば、皇太子の一団がこちらに歩いてくるところだ。
途端に、女生徒は髪型やら化粧を気にし出すした。ガンヒョンはその光景を横目に筆を走らせた。
差し向かいに座ったチェギョンに目をやれば、髪を撫でて目をパチパチさせている。
お前もか、と思ったところで、一際大きな歓声が響いた。
「殿下よ~」と、ハートマーク付きで叫んだのはスニョンだ。
一目散に窓辺に駆け寄ると、懸命に手を振っている。
チェギョンは気になるのか、ウズウズしながらキャンバスに向かっている。
「行けば?」
「え?」
チェギョンが笑顔のまま顔をあげた。その腰は、半分浮いているようなものだ。
「彼が気になるんでしょ?見に行けば?」
「なに言ってるの、ガンヒョン。皇太子なんか気にしてないよぉ!!」
「…そう?」
ガンヒョンは懸命に手を振るスニョンたちに視線を向けると、またチェギョンに目を向けた。
「やせ我慢は体に毒だと思うよ」
その時、一際大きな声が女生徒から起こった。
どうやら、シンがこちらを向いたらしい。
スニョンやヒスンをはじめ、女生徒が叫んでその名を呼んでいる。
「え?なんか言った?」
チェギョンがきょとんとした顔でこちらを見た。
「…何でもない」
ガンヒョンはその顔を見た途端、なぜか何も言えなくなってしまった。
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